【六枚落ちマニュアル】第2部第5章第2節 四間飛車基本図までの手順

◆本節では、四間飛車基本図までの手順を解説します。

全国の四間飛車ファンの皆様、お待たせしました。
四間飛車定跡の解説をはじめます。
上手(うわて)の初手はおなじみ△4二玉(1図)です。

この△4二玉は、居玉を避けつつ、3三のマスを守る手です。
下手(したて)は▲7六歩(2図)と突きます。

この▲7六歩は、一手で角の働きをよくする大事な手です。
上手は△8二銀(3図)と上がります。

この△8二銀は「7三」と「8三」、そして「9三」のマスを守る手です。下手は▲6八飛(4図)と振ります。

これで下手の作戦は四間飛車に決定です。なお、三間飛車定跡で解説した通り、六枚落ちにおける四間飛車では、上手から8筋を飛車で攻められる心配がないので、▲7七角と上がる必要はありません。
上手は△3二玉(5図)と寄ります。

この△3二玉は、将来戦いになるであろう6筋から玉を遠ざける手です。
下手は▲6六歩(6図)と突きます。

この▲6六歩は、平手であれば角道を止め、角交換を防ぐための手です。しかしこの六枚落ちでは上手に角がいないので、そうした必要はありません。むしろ次に▲6五歩と突き、6筋を攻めるための準備の手です。上手は△7四歩(7図)と突きます。

この△7四歩は次に△7三銀と上がるための手です。
下手は▲6五歩(8図)と突きます。

この▲6五歩は、一気に飛車と角の働きをよくする、とても気持ちが良い一手です。平手では、この▲6五歩を常に突ける訳ではありませんが、六枚落ちの場合は、常にこの手を指すことができます。
上手は△7三銀(9図)と上がります。

この△7三銀は6四のマスを守る大事な手です。これで下手から▲6四歩と攻められても△同歩で大丈夫です。下手は▲7八銀(10図)と上がります。

この▲7八銀は四間飛車で左銀を使う時の基本の手です。次に▲6七銀と活用するのが基本です。
上手は△2二銀(11図)と上がります。

この△2二銀はあらかじめ下手の角筋に備え、次に△3四歩と突くための準備の手です。下手は▲4八玉(12図)と上がります。

下手は攻めの形をある程度作ったので、ここからは玉を囲います。まずはこの▲4八玉です。上手は△4二金(13図)と上がります。

この△4二金は玉の守りを固めた手です。一般的に玉の隣に金がいる形は、玉への攻めを金で防ぎやすいため、防御力が高いのです。
下手は▲3八玉(14図)と寄ります。

この▲3八玉は次の▲2八玉を目指しています。この▲3八玉に代えて▲3八銀から▲3九玉と囲う指し方もあり、どちらでも良いです。
上手は△3四歩(15図)と突きます。

この△3四歩は次に△3三銀と上がる準備の手です。
下手は▲2八玉(16図)と寄ります。

これで下手の玉が美濃囲いの定位置にたどり着きました。上手は△3三銀(17図)と上がります。

この△3三銀で上手の囲いが立体的になり、さらに銀と金ががっちりと連携しました。下手は▲3八銀(18図)と上がります。

この▲3八銀で下手側も銀と金が連携しました。
上手は△5四歩(19図)と突きます。

この△5四歩は、場合によっては△5三金と6筋の守りを固める手を可能にした手です。下手は▲5八金左(20図)と上がります。

これで下手は美濃囲いが完成です!
上手は△7二金(21図)と上がります。

この△7二金は6筋や7筋、そして8筋を幅広く守る手です。また、下手に9筋を攻められそうになった時にすぐ△8二金と守る手を可能にしています。(なお、定跡作成段階では△6二金型にしていたのですが、それだと9筋に飛車や角を成られる展開が増えるので△7二金型で統一しました)
下手は▲6七銀(22図)と上がります。

この▲6七銀は四間飛車の基本の銀の使い方です。ここから▲6六銀と▲5六銀、二つの進路があり、本マニュアルでは▲6六銀と出る形で統一します。上手は△4四歩(23図)と突きます。

この△4四歩は下手の角筋を止め、次に△4三金や△4三玉という手を可能にしています。下手は▲4六歩(四間飛車基本図)と突きます。

この▲4六歩は、上手に△4五歩と突かれないようにする大事な手です。
状況にもよりますが、上手に△4五歩から△4四銀と備えられた時に攻めにくいケースがあり、本マニュアルではこの▲4六歩と突く手を推奨します。

以上、四間飛車基本図までを解説しました。
次回は「四間飛車定跡 ステップ1-1」です。


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