【六枚落ちマニュアル】第2部第5章第11節 四間飛車定跡 ステップ4-2

◆本節では、四間飛車定跡ステップ4-2を解説します。

前回ステップ4-1では、上手が△5二金寄と寄った144図まで解説しました。この局面は下手の岐路です。次の2つの攻め方があります。
1)▲4四歩(自然に歩を取り込む)
2)▲4六金(金を攻めに加える・本手順)
本手順の▲4六金は後ほど解説しますので、先に1)▲4四歩(参考100図)と取りこんだらどうなるかを解説します。

この▲4四歩は、ぶつかっている歩を取る自然な手です。
上手はもちろん△同金(参考101図)と取ります。

下手は角を上手陣に成りこみたいのですが、上手の金が邪魔をしています。そこで▲4五歩(参考102図)と打ちます。

上手は素直に△同銀(参考103図)と取ります。

下手はもちろん▲同銀(参考104図)と取ります。

上手も△同金(参考105図)と取ります。

ここで下手は狙いの▲2二角成(参考106図)が実現します。

角を成りこみ、下手が好調に見えます。しかし上手はここで△4六歩(参考107図)と打ちます。

下手は金を取られたくないので▲4八金引(参考108図)と逃げます。

これで戦いが一段落しました。
下手は角を成りこんだものの、4筋を金と歩で抑えられており、▲4八金、そして飛車が使えていない状態です。参考108図は下手が不利ではありませんが、そのあとの攻め方に工夫が必要になるのであまりおススメできません。では上手が△5二金寄と指した144図に戻ります。

あらためて144図。
ここで▲4四歩は、少ない駒数で攻める展開になりました。それでは本手順の2)▲4六金(145図)の解説に進みます。

この▲4六金は攻め駒を増やす好手です。現在上手陣の主な守り駒は3筋から銀、玉、金の3枚なので、こちらも角+銀に金をプラスして攻めます。
今度は上手の岐路です。以下の2つの選択肢があります。
1)△4二金(形を整えて待機する)
2)△4五歩(ぶつかった歩を取る・本手順)
本手順の△4五歩は後ほど解説しますので、先に1)△4二金(参考108図)と指したらどう攻めるかを解説します。

この△4二金は、場合によっては△3三金と上がって4四のマスを守る狙いです。下手は▲4四歩(参考110図)と取りこみます。

上手は素直に△同金(参考111図)と取ります。

これで4五のマスをはさんで下手の金+銀と上手の金+銀が向かい合いました。現在4五のマスは「2対2」です。そして下手の手番ですから、ここで▲4五歩(参考112図)が好手です。

これで4五のマスは「3対2」であり、もし△同銀と取れば▲同銀で、下手の駒の数が多いので攻めが成功します。そこで上手は△5五金(参考113図)とかわします。

下手はもちろん▲同銀(参考114図)と取ります。

上手も△同歩(参考115図)と取ります。

さらに下手は▲同金(参考116図)と取ります。

これで下手は5五のマスの戦いに勝つことができました。さらに下手の次の手番で▲4四金や▲4四金打などを狙い、下手優勢です。
では下手が▲4六金と指した145図に戻ります。

あらためて145図。ここで上手は△4二金と待機したので、下手に▲4四歩から突破されてしまいました。では本手順の2)△4五歩(146図)の解説に進みます。

この△4五歩は歩を取る自然な手です。しかし▲同銀(147図)と下手の駒を前進させてしまうマイナスもあります。

さて、またまた上手の岐路です。以下の2つの選択肢があります。
1)△同銀(素直に銀を取る)
2)△4四歩(下手の角筋を止める・本手順)
本手順の△4四歩は後ほど解説しますので、先に1)△同銀(参考117図)と取るとどうなるかを解説します。

この△同銀は下手の銀を取る自然な手です。下手はもちろん▲同金(参考118図)と取ります。

下手は4五のマスの戦いに勝ち、順調です。上手は△4四歩(参考119図)と受けます。

4四のマスは玉と金で守られているので、金を逃げるしかないように見えます。しかしここで▲3四銀!(参考120図)が好手です。

この▲3四銀は、金を逃げずに王手をかけて攻める好手です。王手ですから、上手は金を取ることができずに△4二玉(参考121図)と逃げます。

これなら、下手は金を逃げずに攻めることができます。そうです、▲4四金(参考122図)です。

先ほど下手は▲3四銀と打つことで、上手玉を4三のマスから追い、この▲4四金と前進する手を可能にしました。上手は△同金(参考123図)と取ります。

下手はもちろん▲同角(参考124図)と取ります。

参考124図は下手の攻めが成功しており、下手優勢です。では下手が▲4五同銀と指した147図に戻ります。

以上、147図で上手が△同銀と取れば、▲同金から下手の攻めが決まることが分かりました。では147図で本手順の2)△4四歩(148図)の解説に進みます。

この△4四歩は下手の角筋を止め、さらに下手の金を前進させないという手です。下手は▲3四銀(149図)と銀を取ります。

上手はもちろん△同玉(150図)と取ります。

上手は玉自ら最前線で受けに回ります。
ステップ4-2は以上です。
次回「四間飛車定跡ステップ4-3」では、ここから上手陣を破るところを解説します。


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