葵短歌 2021

2021年に詠んだ短歌たちです。少ない。


人形に宿る魂ゆるされず朽ちゆくだけの亡霊となる

バスタオル2枚を狭いベランダに工夫して干すことの楽しさ

パレードへ飛び立つために捨てなくちゃまだ残ってる単三電池

棺桶にオプションつけるとするならば出るとき挿して線香花火

パブロフの犬とシュレディンガーの猫、里親さんが見つかりました。

ていねいに花束を抱くこの先に幸せだけがありますように

安らかに生きてくことの代償として燃えさかる体育倉庫

青空を逃げた先にはバスルーム干からびるまで泣いても平気

ひまわりの揺れる庭にてハムちゃんをアイスの当たり棒で弔う

空と海遠いからこそ愛おしい口には青を含まないこと


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