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小規模事業持続化補助金の書き方 ④経営方針・目標と今後のプラン

様式2

もくじ

  • SWOT分析

  • クロスSWOT分析

  • 戦略(方向性)を決定する

  • 具体的な行動策を考える

  • 文章にまとめる

  • 経営目標

  • まとめ

SWOT分析

 経営方針を決める前に今まで分析してきた事を整理します。そこれ活用するのがSWOT分析です。SWOT分析とは、自社の内部環境と外部環境を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)として洗い出し分析する手法です。
 SWOT分析は、経営戦略(方針)やマーケティング戦略を立案するために有効なフレームワークです。

  1. 目的の設定        ← 経営方針を決める

  2. 外部環境分析:機会・脅威 ← PEST分析、5フォース分析

  3. 内部環境分析:強み・弱み ← バリューチェーン分析、VRIO分析

  4. クロスSWOT分析

 SWOT分析を行う際には目的を明確にし、前提条件を整理し広い視野を担保することが重要です。

喫茶店の例

 今まで分析して来た内容を転記します。目的を意識してポイントを絞る事が大事です。記載する事が多くなり過ぎないよう、それぞれ3つ程度にまとめて下さい。

クロスSWOT分析

 クロスSWOT分析とは、SWOT分析で整理した自社の強み・弱み・機会・脅威という4つの視点をそれぞれ掛け合わせることで、自社の経営戦略やマーケティング戦略をより具体化させるための分析手法です。クロスSWOT分析では、以下の4つの戦略を考えます。

  • SO戦略:自社の強みを生かして、外部環境にある機会を捉える戦略。積極的に市場に参入したり、競争優位性を高めたりすることが目的です。

  • WO戦略:自社の弱みを克服して、外部環境にある機会を捉える戦略。改善や改革を行って、市場のニーズに応えたり、競合に追いついたりすることが目的です。

  • ST戦略:自社の強みを生かして、外部環境にある脅威に対抗する戦略。差別化やブランディングを行って、脅威から自社の地位や利益を守ったり、転換したりすることが目的です。

  • WT戦略:自社の弱みを克服して、外部環境にある脅威に対抗する戦略。撤退や撤廃を行って、脅威から自社の損失やリスクを最小化したり、回避したりすることが目的です。

 クロスSWOT分析は、具体的な施策まで落とし込む事ができる有効な手法です。クロスSWOT分析で得られた戦略に、効果と実行可能性を評価し優先順位をつけて取り組んでいくことが大事です。

喫茶店の例 SO戦略

 それぞれ(縦と横)を丁寧に掛け合わせて戦略(方向性)を考えて行きます。3✖3=9✖4=36の戦略が描かれてきます。この作業を実施する事で、思いもつかなかった戦略が多く出てきますので、1つ1つ丁寧に掛け合わせて行く事が大事となります。

戦略(方向性)を決定する

 36の戦略から、効果と実行可能性を評価(判断)し取り組む戦略を、1~2つ決定します。実際の経営戦略においては、WO戦略やWT戦略を採用する事も多いですが、各種補助金に関して言えばSO戦略やST戦略が推奨されていますので、特に不都合がなければSO戦略もしくはST戦略を選定する様にしてください。 

具体的な行動策を考える

 選定した戦略(方向性)について、具体的な行動策を考えて行きます。1つの戦略について2~3つの具体的な行動策を考えて下さい。一般的にならない様に、独自性を意識して行動策を立案してください。

(例)採用した戦略を、上記の②と⑨とした場合
 ②地元農家からの朝どれ野菜を、テイクアウトメニューにも展開して新た  
  なニーズを取り込む
  ②-1 テイクアウト用の朝どれ野菜メニューを開発
  ②-2 朝どれ野菜の仕入を増やし、野菜のみの販売もする
  ②-3 提携農家を増やし、仕入の幅を増やし、独自性を強化する

 ⑨店内の雰囲気づくりに役立つ自動調理器を導入し労働生産性を高める
  ⑨-1 入口に珈琲の匂いが漂う、キッチンレイアウトに変更
  ⑨-2 雰囲気と手作り感を損なわない事と、労働生産性向上を高めるた
     めに、小型のコンベクションオーブンの導入

文章にまとめる

 経営方針は、①地元農家からの朝どれ野菜を、テイクアウトメニューにも展開して新たなニーズを取り組む事。②店内の雰囲気づくりに役立つ自動調理器を導入し労働生産性を高める事。とする。 

 ①の具体的な施策としては、テイクアウト用の朝どれ野菜メニューの開発を行うこと。朝どれ野菜の仕入を増やし、野菜のみの販売も実施すること。また提携農家を増やす事で仕入の幅を増やし、顧客ニーズへの対応と独自性の強化を図りたいと思います。
 ②の具体定な施策としては、入り口に珈琲の良い匂いが漂うようにキッチンレイアウトの変更の実施。店の雰囲気と手作り感を損なうことが無いように、デザイン性の高い小型のスチームコンベクションオーブンを導入したいと思います。

経営目標

 ここまでは、経営方針と今後のプランについて作成して来ました。ここからは、それらを実施する事で数値がどう変化するか、数値も目標を立案し記載して行きます。

喫茶店の例

 先5年の収益試算を計画してください。また、新規に新たな取組(今回であれば野菜のテイクアウト)を行う場合は、既存の売上と分けて計画すると目標数値が明確になります。あまり欲張らず、現実性を加味し計画(目標)を立てる事が大事です。
 根拠がない数字は記載しない様にしてください。(例)喫茶店の場合は、新規事業の野菜のテイクアウトが、新規事業として成長することが鍵である事が分かります。

まとめ

 以上、経営方針・目標と今後のプランに記載すべき内容について説明して来ました。最後にまとめのポイントをお伝えして、この章は終わりたいと思います。

  • 目的を明確にしSWOT分析で、強みと弱み・機会と脅威を抽出することで広い視野で分析、評価する事ができます。

  • クロスSWOTで、それぞれの要素を丁寧に組み合わせる事で、具体的で実現性の高い戦略(方向性)を立案する事が出来ます。

  • 戦略は効果と実行性を評価し、優先順位を決めて経営資源を投入することが大事です。また戦略に対して2~3の具体策を立案する事が大事です。

  • 経営目標はあまり欲張らず、現実性や根拠に基づいた数値で立案、組み立てる事が大事です。

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