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学童野球マガジン vol_02の紹介

3月に発売された「学童野球Magazine vol_02」 創刊号に続き、紹介します。(不定期のようなので、発売されたことに気づくのが遅くなりました)

特集「奥川恭伸 人間力の源」「投球動作解説(連続写真)」「上達イロハのイ チカラのヒ・ミ・ツ」「野球用語のABC」

大谷選手に続き第2号の巻頭は奥川選手。小学、中学時代の監督が語る涙にまつわるエピソードから始まり、奥川選手の感情豊かな人柄が紹介されています。小学時代は、平均的な身長ながら、飛び抜けた身体能力と柔らかさで、監督に言われたことをすぐに習得していたそうで、小さい頃から才能あふれる選手だったことが伺える。(そんな選手なかなかいませんよね)
そして、驚いたのは、球速が3年生で86キロ→6年生で111キロと、今でもチームの歴代最高記録だということ。さらに中学軟式で130キロオーバー。。。
奥川選手といえば、球の力だけでなく制球力がプロ野球でも屈指のレベルですが、コントロールの良さの原点は、子供の頃から続けていた壁当てだと。3歳から兄について練習に行き、グラウンドの外で壁当てをずっとやっていたらしい。こういうエピソードを読むと、今は壁当てする場所もほとんどないので残念です。遊び感覚で一人でできる壁当てが制球力の原点って良いですよね。
投球動作解説も奥川選手の連続写真。本当にお手本のような綺麗な投球フォームなので、体の軸や左右の肩のラインが真っ直ぐで、子供たちにも真似してほしいです。(子供たちは、癖のある選手の真似をよくしますが、、、笑)
杉山さんの解説でも、欠点・改善点が見当たらないとパーフェクト。
チカラのヒ・ミ・ツは、速いボールを投げるには筋肉だけじゃなく、地面を強く蹴る(押す)ことで、地球から見えない大きな力(はね返りの力)を利用しようという内容。野球用語解説も今号からスタートし、今回は「打率」の説明。子供たちには用語を知ることも大切ですね。

特集1 野球入門「キャッチ」ボール

野球を始めた子にとって、おそらく最初の高いハードルになる「捕球」
私もコーチを始めて1年半。どのような練習をすればよいかと悩みながら、色々と試しながらやっていますが、今号では、「ジャイアンツアカデミー」「多賀少年野球クラブ(滋賀)」「茎崎ファイターズ(茨城)」「西伊興若潮ジュニア(東京)」の練習ドリルが公開され、低学年コーチにとって嬉しい内容。QRコードから動画も見れるので、実際にどのように練習されているか見れるのでとても参考になります。
それぞれの練習内容は割愛しますが、私が実際やってみた練習もあれば、全く思いつかないようなものもあったりで、何が正解かはわからないけれど、長年指導者をされている方の経験から築き上げてこられたノウハウなので、これらを取り入れながら、色んなことをやってみて、子供たちが楽しみながら着実成長する練習を確かめていきたい。

特集2 タイブレークの備えと戦い方

特集1が入門なら、特集2は上級というべき「タイブレーク」
私は現役時代にタイブレークを経験したことがほとんどなく(中学時代に数える程度、、、)ピンとこない感じですが、今後、学年が上がるにつれ、いずれは遭遇するはず。試合時間が短くなったり、イニング数が7→6回になるので、タイブレークも増えることが予想されますね。
この特集では、全国大会3位以上の成績、指導歴15年〜34年と実績豊富な監督への共通アンケートの内容を元にした記事になっています。
・吉田祐司監督【茎崎ファイターズ(茨城)】
・辻正人監督【多賀少年野球クラブ(滋賀)】
・小和口有久監督【小名浜少年野球教室(福島)】
・岡秀信監督【北名古屋ドリームス(愛知)】
・笹谷武士監督【東16丁フリッパーズ(北海道)】
・髙野範哉監督【豊上ジュニアーズ(千葉)】
共通アンケートは、以下の内容。
Q1.公式戦で経験した回数と勝率
Q2.戦い方を確立しているか否か
Q3.Q2に着手した時期
Q4.練習試合で試す頻度や時期
Q5.実践形式での設定練習の有無
Q6.先攻の場合の攻め方
Q7.後攻の場合の攻め方
Q8.特別延長を踏まえた采配の有無
回答内容は様々だけど、全国レベルの監督になると様々なことを想定して、タイブレークの準備をされているとのこと。公式戦でタイブレークを経験されたことがタイブレークの練習を始めるきっかけになったというのもあるようです。辻監督は、全国大会前に、タイブレークだけの練習試合をされている、ということも書いたりました!

特集の後には、元中日ドラゴンズで、侍ジャパンU-12代表監督の井端さん、バレーボールでオリンピックにも出場され、現在日本スポーツ協会常任理事のヨーコ ゼッターランドさんのスペシャルインタビュー。
そして、2022年度から導入された新ルールの紹介。新ルールについては、私も2回記事を書いていますので、よろしければ、こちらも見てください。

残念に思ったのは、検証・検討中の盗塁禁止や暴投・捕逸時の進塁禁止の新ルール案に対して、既に反意・否定の炎があがっているということ。「盗塁・盗塁阻止こそ指導者の腕の見せ所」というような私には理解不能な声も出ているらしい。
創刊号で全選手が紹介されたNPB12球団ジュニアトーナメントの結果・総括、活躍した選手の紹介もありました。大会15試合で51本塁打は、過去最多で2019年大会から倍増したそうで、打高投低の要因は、ミズノの高反発バット「ビヨンドマックスレガシー」と19年から規格変更になった「J号球」の影響が大きい。遠くに飛ばすのは確かに楽しいのは間違いないけれど、ここまで打者有利な方向に用具が変わっていくのは、個人的には微妙に感じるところである。高反発の複合バットは4〜5万円と経済的な負担も大きいし、芯の幅が広すぎて、変化球が禁止されている学童野球にとって、投手は辛すぎる側面がある。J号球は昔の軟球より硬いし、硬球に感覚を近づけているので、打球速度が上がると危険も増える。経済的負担が大きくなるのも、野球人口減少の一つの要因になっているかもしれないので、野球界全体として、再考する部分はあると思う。

連載コンテンツ(キッズ専門トレーニングが追加)

今号よりキッズ専門トレーニングが連載コンテンツに追加され、野球上達に必要な能力の解説。次号から具体的なコーディネーション能力を高めるエクササイズも紹介される予定なので、次回が待ち遠しい。
ケガ予防では身体と心の発育について、審判ノウハウはストライクゾーン、野球弁当(栄養学)は、「食べても体重が増えない」をテーマにした内容。
談話室では、お茶当番について書かれていますが、私のチームも一昔前は、誌面に書かれているような過剰な当番であったと聞いているので、チームにとって考え方は色々あると思いますが、私は当番をなくしたい派。当番など親の負担のせいで、子供が野球がやりたくても親がチームに入れたがらないというのも聞こえてくるのは本当に残念で、子供が可哀想で仕方ありません。
子供の自主性を高めたい(子供たちでできることを大人が奪わずに育てたい)ので、チーム内でも色々と話し合って少しずつ皆が納得する方向に変えていきたい。

今号は、新加入が増える春の時期に、入門ドリルになる具体的な練習方法が豊富に載っているので、低学年コーチにオススメの内容です。
まだうちのチームは新加入者が出てませんが、1〜3年生が増えることを期待・楽しみにしています。

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