この世に生まれてきた意味 中学生後編
こんにちは
ほぐしびとwordsです。
私の中学生時代は自分の位置探しに必死になっていた。人はどうでもよかった。自分が幸せになるためにもがき苦しんでました。
中2の中体連前日。飼い犬ヤマトが線路で亡くなっていた。私の唯一心が許せるヤマト。電車に跳ねられたのだ。なぜ線路に入り込んだのか…未だに考えられない。私はヤマトの抜け殻をいつまでも抱き締め離すことが出来なかった。気が狂いそうになる。私も一緒にいなくなりたい。気持ちがドン底まで落ちた。ふとヤマトを感じる。涙をなめられた感覚。亡くなってまで私の事を慰める。ありがたい。私はヤマトから離れヤマトの首輪を首に巻いてヤマトに誓う。『私は生きる 。一人でも強くなる』
中体連は首輪を巻いて参加する。ヤンキーが首輪して100m走る。砲丸投げる。130㎝の高跳びを飛ぶ。首輪は獣臭い。異様な私からみんな遠ざかる。でも気にならない。私が心地よかったらそれでよかった。成績が…なぜかすごく良く全道大会出場権を取ることが出来てしまった。
愛犬を亡くして悲しいけど…自己新記録を出して嬉しい私に顧問は『お前は出来るヤツなんだぞ。俺が感じたんだから間違えないんだ』私は認められたんだ。初めて認められた。獣臭い私を顧問は抱き締めてくれた。心がくすぐったくて恥ずかしくなり…意気がる私。『やめれや』素直になれない。可愛くない私。いつもそう。裏切られるのが怖いから…
中学3年の最後の3者懇談に珍しく母親が来た。私は嬉しかった。嬉しくてハイテンションになる私をどう感じていたのかな？
懇談が始まってすぐに母が『こいつ言うこと聞かないし芦別レジャーランドの中国雑技団に売ろうと思う』は？売る？『お母さん！良いですね。折半しましょう』担任も同意するな。まぢかよ…期待した私がバカだった。母は私を売ることを決めたから担任に報告しに来たんだ。変に素直な私。そんな事ないのに。ただ我が家はビンボーだから信じられる話だった。
私は逃げることを考えるしかなかった。売られるのは嫌だ。父の財布からカードを盗む。飛行機に乗り電車に乗り関東へ。宝島と言う雑誌に飼育スタッフ募集と…学歴、経験不要と書いある動物プロダクションの門を叩いた。私が私を売るんだ。親に売られてたまるか！バカな私はすがるような気持ちで後先考えずに突っ走り向かった。
社長さんは素敵な人だった。千と千尋の神隠しみたいに私は『働かせてください』何の説明もしない。何を言われてもただただ『働かせてください』と懇願する私。社長さんは『いいよ。ただ何故ここに来たのか？それだけ教えて』と。私は経緯を話した。売られるなら自分で働いて生きていきたい。社長さんは笑わずに真剣に話を聞いてくれた。もしかしたら私の色々を話しても嫌わないかな？って…ある程度の生い立ちを話した。
社長さんは『働かせても良い。ただキチンとどこにいるかを両親に話さなきゃここに置いておけない。どうする？』私は思った。親にすれば厄介者の私なんだから…連絡しても『あっそ』で済まされるんだろうなぁって…だから社長さんから連絡していただいた。どんな会話をしたか私はこの時は聞かなかった。
たくさんの種類の動物がいた。私は嬉しくてたまらなかった。大好きな動物に囲まれて生活できるんだ。好きなことをしていられる。なんて幸せ何だろうと思うのと同時に息が。吸うことが出来ない。喘息が出たんだ。社長さんはチアノーゼの私を見てすぐに病院に連れていってくれた。こんなことしてくれる大人がいるんだと思えば思うほど苦しくなる…
社長さんに救われた。命も心も。私なんかのために…会ったばかりの可愛くない私に。初めて大人に対してありがとうと言う感情が働いた。感謝…私は素直にならなきゃいけないんだ。
社長さんは父を呼び出した。『往復のお金は出してやるから早く来い』と電話で怒鳴り付けていた。
札幌に帰る前に言われたんだ。『どんなに苦しくて悲しくて辛くても話を聞いてくれて一緒に泣いてくれる人がいる。だから胸張って生きるんだぞ。後ろ向くな。前だけ見ろ。いつでも俺は待ってるからな』
愛を教わった。ちょっとの時間なのに。こんなに生き方を変えてくれる人はいない。
動物プロダクションの社長さんはもうこの世にはいない。でも15才から30才までお互いの今を話した。でも私は社長さんに教わった事を私が知り合った方に返している。社長さんには恩返しできなかったから。
社長さんと約束したこと。人を憎んではいけない。憎んだら憎んだ分だけ醜くなる。だから思え、この人も辛いんだなと…親を恨むな。先生を憎むな。理由があってどうしようもなく行動をしてしまったはずだからと。心がうたれた。
そんな経験をして高校生になる。
読んでいただきましてありがとうございますm(__)m
次回は高校生編になります。
ありがとうございますm(__)m