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【憲法が変わっても戦争にならない?(高橋哲哉・斎藤貴男編著)】うえこーの書評#14

現在の憲法改正問題で改正反対派の方々の意見をまとめた本です.

改正賛成派の人は9条を改正することで,自衛隊をちゃんと軍として運営できるというメリットをあげます.たしかに,現在の自衛隊は明らかに自衛の範囲を超えた軍事力を持っています.この本に掲載されているSIPRI Yearbook 2005をもとにした図によれば,日本の軍事費は世界第4位の規模をもつようです.本来であれば自衛隊は違憲ですが,だからと言って憲法を変える必要はないです.違憲の存在だからこそ自衛隊の活動ひとつひとつが本当にやるべきことなのか,平和活動の範囲内に収まっているのかを吟味できるのです.もし憲法が軍を持つことを了承してしまえば何も歯止めがきかなくなります.いまでも集団的自衛権や自衛隊の中東派遣など憲法の解釈を変え活動の幅を広げているのです.これ以上タガが外れると自衛隊が戦争に本格参戦しかねない状況です.

他にも中国や北朝鮮の脅威に対抗するために自衛だけでは日本を守れないという意見も見られます.しかし,自衛隊を軍にすることでより日本が攻められる要因をつくってしまうだけです.そもそも現在の日本に中国,北朝鮮が攻めるメリットはあまりないです.北朝鮮が戦争を勃発させればアメリカとの闘いで一瞬にして負けるでしょう.中国は内部の香港問題やウイグル問題で日本にかまっている余裕は全くないです,したがって,他国が攻めてくるという意見はファシズムを生み出す要因でしかないです.

仮に他国が攻めてくるという脅威が本当にあるとしても軍拡を進めるのではなく,日本を責めた方が他国にとってデメリットになるような国,そんな国に日本がなればよいと思います.

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