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【とてつもない日本(麻生太郎)】うえこーの書評#48

現在でも政界で強い影響力をもつ麻生太郎さんの著作.この本を読んで,麻生さんに対する私の印象ががらりと変わった.

ナショナリズムには,厄介なことに,国家間で刺激しあってエスカレートしやすいという問題がついて回る.日本が,もはやナショナリズムによって血圧を上げることが全くないほど老いた国であるとも思えない.そして周辺諸国を見る限り,ナショナリズムが昂揚している国は少なくない.だとすると,問題は決してなくなっているわけではない.実際に,日本国内におけるナショナリズムの台頭を懸念する声も聞かれる.もっとも,今の日本のそれが警戒すべき水準にあるとは思えない.(p.24)

たしかに,中国やアメリカと比べてナショナリズムは台頭しにくい選挙システムになっているが,ナショナリズムを台頭させるものに政治の指導者も含まれるので,自分が煽動しないよう気を付けていただく必要がある.

 なかには私の麻生さん像にはない記述もあった.

今の世の中,餓死する程の貧しさが存在する訳ではない.ニートはニートのペースで生きていくことを認めてもいいのではないか.(p.46)

他にも,中学校を義務教育から外してみることも考えているようだ.今までのシステムを根本的に変えることもいとわないところは良いところだ.

中国の台頭を祝福し,これを心から歓迎したいと考えている.経済面で両国は既に,活発な競争をしようとしている.大いに慶賀すべきことで,それによってこそ互いに伸びていくことができるだろう.(p.133)
中国に日本と同じような透明性を求めたいと思う.(p.133)

 中国の台頭も脅威ではなく,友好的なところが意外だった.ただ.日本に透明性があるかどうかは政治家か判断できないのではないか.

 今までニュースで見た麻生さんしか知らなかった.しかし,この本を読んで日本をもっとよくしたいという気持ちが伝わってきた.是非頑張っていただきたい.

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