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【身体知性(佐藤友亮)】うえこーの書評#21

 身体と心の動きの関係についての本.

 西洋医学と東洋医学は全く違うイメージはもともとありましたが,西洋医学が思っていた以上の厳密性を必要とする学問のようです.

身体のそれぞれの部位の名前もしっかり区分されていて,西洋医学をものにするのはとても大変そうです.

また,東洋医学も西洋医学では説明がつかない論理がありますが,それでも科学的ではないからといって捨ててしまうには惜しい知見があります.

 この本のキーワードに意思決定には情動が大きな役割を果たしているという考え方の「ソマティック・マーカー仮説」というものがあります.

情動が不安定の場合,適切な思考ができなくなることは私の経験にもよくあることで納得です.

しかも.意外だったのが脳の損傷などで感情があまり働かなくなった人は今までの経験を参考にすることができず,適切な判断ができなくなってしまうようです.

感情がないほうが冷静にものを考えれるのではと今まで考えていたのでこの実験結果は意外でした.

 筆者自身,合気道をしているので武道の観点からも意見を述べているのですが,武道の最終目的が「あらかじめ答えのない問題に対処できるような身体知性を研ぎ澄ませる」ということにあるようです.この考えは内田樹先生もよく述べている考えで,武道の魅力の一つです.

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