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【宇宙は何でできているのか(村山斉)】うえこーの書評#42

 前回,南部さんの本を紹介した際,最初に読むのは難しいと書いた.では,南部さんの本の前に何を読めば良いのか.それが今回の村山さんの本だ.

 難しい物理現象を身の回りのものを例にわかりやすく説明している.

小さい物質を見るには,顕微鏡の解像度を上げるしかありません.そして,解像度を上げるには,できるかぎり「波長」の短いものを使う必要があります.(p.74)

 この例として,ラジオ放送が使われている.

 波長3メートルのFM電波は建物より短いので,そこに衝突します.しかしAM電波は建物より波長が長いので,それを回り込んで向こう側まで抜けていきます.別の言い方をすると,FMの電波は建物の存在に「気づき」,AMの電波はそこに建物があることに「気づかない」.障害物に気づいたFMの電波は,建物を「見た」ということです.(p.74)

 またボゾンの説明を光子を例として説明している.

不思議な話ですが,たとえば「光子」がボソンの一種だと聞けば,それも納得できるのではないでしょうか.DVDや光通信で使うレーザーがそうであるように,光はいくらでも重ねて強くすることができます.(p.102)

 この本を読めば素粒子物理学の概略を簡単に知ることができるだろう.

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