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【資本主義の終焉と歴史の危機(水野和夫)】うえこーの書評#22

資本主義の限界について説明した本です。
環境問題やコロナの流行など全世界で閉塞感が生まれ、今後の行く末が想像できない状況です.そんな中一つの答えとして「資本主義を終わらせる」というものがあります.

資本主義は利潤を生みだす必要があります.しかし,利潤を生みだすフロンティアがもうなくなる寸前です.発展途上国がどんどん発展し,「電子・金融空間」も人間の認識をはるかに上回る勢いまで高速化しています.どこにも利潤を上乗せする余裕はありません.

資本主義の次は何がくるか.著者自身明確な答えは出ていないようですが,「定常社会」がキーワードであるそうです.

「定常社会」という考えは内田樹先生もよく言われる考えです.例えば,お金のやりとりがなくても,ものの貸し借り,助け合いのシステムが構築されているコミュニティは,お金のやりとりがなくGDPには勘定されませんが十分幸せな社会といえるでしょう.

また,斎藤幸平さんのように資本主義の代替案として,マルクス主義を挙げる方もいます.

アメリカでもサンダースが若者の間で人気が出てきているそうで今後の動向に注目です.

著者も書いている通り,最も早く資本主義の限界にぶち当たっていた日本だからこそできることがあると思います.

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