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ミクロ経済学 第3版(西村和雄)【書評#162】

以前から経済学に興味があったので、経済学の入門書であるこちらの本を読んだ。

この本は、微分や積分、微分方程式などを用いずにミクロ経済学を説明してくれている。ただ、私のように数学に抵抗のない人からすれば、直接数学を使ってくれた方がわかりやすい。同じ著者がミクロ経済学の本をより数学の知識を用いて書いているので、そちらをまた読んでみたい。

ミクロ経済学とマクロ経済学は時に違った結論を出すことがある。これを合成の誤謬というらしい。ミクロ経済学では、個々の事例から全体を捉えるのに対し、マクロ経済学では、全体の傾向から個々の事例を考えることがこの誤謬につながっているようだ。この関係は物理学でいう量子力学と古典力学の関係によく似ていると感じた。

機会費用の考え方も面白い。例えば、ある事柄に時間やお金を投入するとそれによって、他の事柄ができなくなる。例えば、限られた予算の中で、本を買えばその分だけゲームなどの他のものは買えなくなる。このような得られなかった費用を機会費用という。機会費用の考え方は日常での選択にも使える考え方だと思った。

それぞれの章の終わりにはそれぞれの章に関わる経済学者の紹介が書かれている。数学や物理学、哲学とも縁のある人も多かった。数学、物理学、哲学、経済学は別々の学問ではなく、それぞれがそれぞれの研究を押し上げていることがよくわかる。

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