ゴルゴ13「狙撃のGT」
「ゴルゴ13」の初期の傑作「狙撃のGT」(第12話、SPコミックス3巻)は、山間部を時速90キロで疾走する列車の中にいる人物を狙撃するという、極めて困難な仕事に挑むという物語なのだが、タイトルにある「GT」が何を意味するのかを考えて、眠れぬ夜を過ごした経験がどなたにもある事と思う。
それもその筈、作中には一切「GT」に関する記述は無いのだ!
2000年に小学館から発行された「オフィシャル・ブック THEゴルゴ学」にも、タイトルとあらすじは記載されているのだが、残念ながら「GT」の意味については触れられていない。
かくなる上は自分で考える他は無い。
まず思い付くのは、
「ゴルゴ13(GOLGO THIRTEEN)」そのものズバリだ。
本編には中国情報部が駆るスポーツカーが重要な小道具として登場する、つまりイタリア語の「グランツーリスモ(GRAN TURISMO)」だ。
目に付くのはこんな所だろうか?何か見落としている点はないだろうか?
・・・そういえば今回の標的「王徳明」は初老の男性だ、つまり「じいさんがターゲット(GISAN TARGET)」
果たして正解はこの中にあるのだろうか?それとも、3つ全てを意味する、トリプルミーニングという事なのだろうか?
思考も捜査も暗礁に乗り上げ、完全に行き詰まったかと思われたが、意外にもその答えは、掲載誌にあった。
「狙撃のGT」が掲載されたのは、1969年「ビッグコミック」8月25日号。表紙には錚々たるメンバーの名前が散見される。
やはりというか、納得の脚本は、小池一夫。だんだん核心に迫ってきたぞ?
むむ、ここにも「GT」にルビは振られていないし、意味も書かれていない?読み進めると、前編の最後のページに・・・!?
ああ、まさか「ゴールド テクニック(GOLD TECHNIQUE)」だったとは、お釈迦様でも気がつくめえ。いや、お釈迦様ならとっくに気づいていたのかもしれない。教えてくれてもいいのにもう、お釈迦様ったら。
という訳で、遂に歴史に隠された秘密は白日の元に晒される結果となった。もし君が「ゴルゴ雑学選手権」に出場した際には自信を持って「狙撃のGT」の意味を答える事が出来るだろう!その日を夢見て早めに寝よう!
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