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さようなら長崎西洋館

埼玉から長崎に赴任したのはもう二十数年前。その職場のお膝元にある大きな交差点、そこに立ってまず目を奪われたのが「必殺カット江口!」の看板とタイトルバックのこの建物、長崎西洋館。

「西洋館」というだけあって、大伽藍や螺旋階段と迷路のような通路、そこに大部屋・小部屋を入り組んで配置する凝った造りの要所要所に彫刻やレリーフがそっと飾ってあったりするのだが、まぁ結局は謎な空間だった。
でも、地元のネタを豪快に握ってくれる回転寿司や、ちょっと上品っぽい集まりなんかに使える和食など結構勝手が良かったのだけれど、なんと言ってもありがたい存在だったのがキッズスペース。子供を放り込んでおけば勝手に遊ぶし、知らない子たちとも仲良くしてる。親は周りのテーブルで休むだけ。

一度離れて8年の海外勤務から再び長崎に戻ってからも、意外にマニアックに品揃えの良かったサッカーショップとか、オムライスも美味しかった珈琲屋さんとか折々訪れていたのだが、その都度テナントがひとつ、またひとつと減っていくのが気になっていた。

それがつのって今日、とうとう閉館するまでに至ってしまった。

年に何回か足を運ぶか運ばないかという朧げなユーザーとしては支えにもならなかったけど、原爆資料館や平和公園にも近いので、もう少し観光客に目を向けたサービスを充実させていたら人を呼び込めたんじゃないのかなって思う。
つくづく残念だ。

閉館前最後の日曜日の夕方に立ち寄って結構隅々まで徘徊してたら、私と似たように写真を撮りに来る人たちが次々と。同年代よりも10代、20代の若い世代が多かったのが印象的だった。

どうもお世話になりました。本当にありがとう。

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