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juke/footworkとsatanicpornocultshop(前編)

サタポは2011年から突如フットワークスタイルのダンスミュージックに傾倒し始めます。それまでのサタポの音楽は打ち込み主体ながらもダンスミュージックというよりサンプリング/コラージュ色が強く、フットワークを通じてダンスの側面が強調されます。

フットワークとは具体的にどういう音楽か?というのはDJフルトノのこの記事に詳しいです。

【D.J.FulltonoのCrazy Tunes】Vol.3 ジュークとフットワークの違いとは?という疑問にそろそろ決着を | Mikiki

「ジューク」という音楽ジャンルの中に、フットワークというダンスのために特化した同名の「フットワーク」というサブジャンルがある、という事らしい。
ダンサーのための音楽なのにダンサーを挑発するためにあえて踊りにくく、しかしどこかに踊るためのフックの部分が存在している…という非常にややこしい音楽スタイルです。

このひねくれた特徴にサタポが反応して、以降はフットワークの音楽構造の研究に没頭していきます。

具体的にジュークの手法を取り入れた最初の曲は、nejiの2011年のコンピレーション「戦国武将トリビュート」収録の「マムシのdo0o3」。

2012年にはデラックスエディションとして再リリースされていて、nejiのバンドキャンプにてデジタル配信もされている。

ここでは引用した声ネタを「マムシの道三」と聞こえるようにチョップした、とりあえず習作といった感じのトラック。


8月にはジューク・フットワークオンリーの「Wipeout ep」をリリース。


10月には毎月放送していたラジオ番組「夜のヌーヌラックスヌラン」にて特集。

【連載】Kizaam's Footworkipedia #02 "DJミックス特集": BOOTY MUSIC JAPAN

"Juke/Footwork Special"と題された夜ヌン・エピソード29は日本唯一のJuke/Ghettotech専門レーベルBooty Tuneに所属する3人のDJ、D.J.G.O.、D.J.April、D.J.Fulltonoをフィーチャーして放送されました。
一番手のD.J.G.O.は自身のトラックのみを使って疾走感溢れるミックスを披露。Hip Hopをこよなく愛する彼ならではのエディットセンスが素晴らしい。最後の曲'Rain' を含む収録曲のうちのいくつかはBooty Tuneから近日発売予定のEPに収録されると思います。
二番手、ジャガー汁ことD.J.Aprilによるミックス。数年前からDJ DiamondやDJ Earlなどの若手を中心にTechno的な音色や展開を巧みに取り入れたFootwork Trackが増えてきています。D.J.Aprilのプレイはシカゴの新しい潮流といえるテッキーなFootwork Trackと、そのルーツといえるGhettotech的な曲をテクノ的な感覚でミックスした非常に聴き応えのある内容になっています。
最後はレーベルオーナー、D.J.FulltonoによるJukeの限界に挑戦するようなミックス。JukeのBPMはだいたい150~165くらい、半分以上の曲が160で固定されているのですが、このセットはなんとBPM170オーバーという破格の速さです。スクラッチや2枚使いなどGhettotech DJ時代に培われたスキルを駆使して暴れ馬のような音を自在に操るプレイは見事の一言。本人はやりすぎたと反省の弁を述べててましたが、シカゴでもこういった突拍子もない試みが繰り返されることでGhetto HouseがJukeに進化してきたはずですし、大きな可能性を秘めた挑戦だと思います。


同月、2枚目のフットワークEP「Nuclear ep」をリリース。

ちなみにこのジャケは2011年に出たDJ Diamond「Flight Muzik」のオマージュであり、福島第一原発のGE製マークⅠ型のコラージュでもある。2011年は東日本大震災・原発事故が起きた年でもあり、それに対するメッセージも込められています(戦国武将コンピのジャケにも当時の東京電力CIロゴがあしらわれている)。

11月には3枚目のフットワーク作品「remake ep」をリリース。

このあたりからフローズンパインのハナモゲラMCをチョップしてトラックに組み込むという、声ネタも自家製造するスタイルを確立。このEPはテクノクラシックをフットワークに組み直すというもので、落語の三題噺よろしくツイッターにて募集したリクエストをフットワークにエディットするというエグい作業をしています。


日本のシーンにジュークが本格的に認知されたのは2012年にdommuneで放送されたBooty tuneによる「JUKE解体新書2」以降だと思われるので、2011年はそのブレイク直前の時期。

2011年5月4日に「JUKE解体新書」の初回が放送された時点では日本でほぼ誰も知らないジャンル、という状況でした。初回の放送内容はドミューンのガイドブックに収録されています。

DOMMUNE オフィシャルガイドブック-1ST ―DOMMUNE BOOKS 0001― 感想 - 読書メーター

その他の動きとしては、10月にLimited toss主催のVOL.4 RECORDSからリリースされた佐伯誠之助「INGO BEATS REMIXES!!!」に参加して

同じく10月に大阪・寺田町で行われた「atelier teradacho festival」にライブ出演しています。

atelier teradacho festival 2011.10.09
自分たちが暮らすこの町「寺田町」は、駅を中心に様々なBARや居酒屋があり、また、そこに通う人々と店舗、そして店舗経営者同士の横のつながりの強さはこの町のひとつの特徴です。「キタでもなく、ミナミでもなく、自分たちの町で」そんな想いで4年間、私たちは、自分たちで作る音楽イベント「atelier」を運営してきました。このイベントを通じて様々な方や店舗と出会い、その繋がりでこのイベントは大きくなりました。今回は、普段夜からオープンする BAR や居酒屋を昼から開けて頂き、音楽イベントを軸に、映像上映や作品展示、飲食や物販を設け、複数の店舗で同日開催するという、普段の「atelier」とは異なる盛大な祭りを執り行います。まだ見ぬ新たな出会いや繋がりを願って。
アトリエ実行委員会


#音楽 #satanicpornocultshop #juke