ss)カモノハシ
「今日はどうしました?」
「先生、息子が引きこもりになっていたんですが最近ますます部屋から出てこなくなりました」
「原因はなんだとおもわれますか?」
「元々息子はカモノハシを恐れていました。哺乳類なのにくちばしがあって水かきもある。おまけに卵を産む。哺乳類なのに乳首がないのです。それが信じられないというのです。あれは宇宙からやってきた生物だと。だから俺は部屋から出ないというんです」
「それは困りましたな」
「それで最近わかったんですがカモノハシのオスには毒があるのです。それがわかってからいっそう部屋から出てこなくなりました。息子はおかしくなったのでしょうか?」
「お母さん、落ち着いてください。ここは日本です。カモノハシはオーストラリアにしか生息していません。カモノハシはいません」
「先生助けてください。お腹を痛めて産んだ息子がこんなことになってしまって…。私は悲しいです」
「お母さん、落ち着いてください。そもそもあなたはずっと独身で子供いませんよ」
「ひどい。なんてこというんですか。こんな病院来るんじゃなかった」
「お母さん、申し訳ないのですがあなたは男性ですよ」
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「おい、聞いたか」
「ああ、あれな。内科の医師なのに自分を精神科の医師だとおもっちゃったってやつね」
「怖いね」
「勝手に精神科で診察してたらしいね。なんか『カモノハシ』がどうのこうので一人二役で会話して意味不明だったらしいぜ」
「回収かな」
「だろうね。内科医師ロボットのはずなのになんでこうなっちゃったんだろうね」
スープラ欲しいんですけど〜