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不透明な未来

かつゆきが勤めているのは、製薬会社経理部。
今はリモート勤務が主流だ。

今は株主総会に提出する決算書作成が中心に入力業務が続く。

「すごいV字回復だ…」

昨年はは新しいウイルスが世界中に猛威を振るった激動の1年だった。
かつゆきは数字を追いながら、利益の多さに息を呑む。

その時、携帯が鳴った。
画面にはまゆみと表示されている。

一瞬戸惑ったが、かつゆきは電話に出た。

「お疲れ様です、今大丈夫でしょうか?」
「あぁ。丁度今、一区切りつけるところだった」
「少し気になることがあって…電話では話しにくいのですが」
「分かった。すぐむかうよ」

Office近くのコーヒーショップ、窓側にまゆみは座っていた。

「どうしたんだい」
「これ見てくれませんか?」

審議結果報告書
令和3年2月12日 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

7.R 機構における審査の概略
7.R.1 臨床データパッケージ及び審査の方針について

本剤は、医薬品医療機器等法第 14 条の 3 第 1 項の規定に基づき承認された特例承認品目であり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集し、報告すること。
現時点での知見が限られていることから、製造販売後、副作用情報等の本剤の安全性に関するデータを、あらかじめ定めた計画に基づき早期に収集するとともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。その際、国が実施する健康調査等 により得られた情報についても適切に反映すること。
現在国内外で実施中又は計画中の臨床試験の成績が得られた際には、速やかに当該成績を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出するとともに、本剤の有効性及び安全性に係る最新の情報を、医療従事者及び被接種者が容易に入手可能となるよう必要な措置を講じること。また、国が行う本剤の有効性及び安全性に係る情報の発信について、適切に協力すること。
本剤の接種に際し、本剤の有効性及び安全性については今後も情報が集積されることを踏まえ、 あらかじめ被接種者又は代諾者に最新の有効性及び安全性に関する情報が文書をもって説明され、 予診票等で文書による同意を得てから接種されるよう、医師に対して適切に説明すること。

「ようは、今も尚治験中。長期的な副作用は分かりませんということだ」

感染症予防ワク○の有効性は、原則として発症予防効果を主要評価項目として評価を行うもので あり、COVID-19 の発症予防効果について代替となる評価指標が明らかになっていない現状におい ては、原則としSARS-CoV-2 ワク○候補の有効性を評価するために、COVID-19 の発症予防効 果を評価する臨床試験を実施する必要がある。

SARS-CoV-2については、COVID-19の流行の程度が国・地域によって異なること、ウイルス株が地 理的・時間的条件によって異なっていく可能性があること、また、COVID-19 が重症化する患者の割合が国・地域によって大きく異なり、その背景については様々な検討がなされていることを踏まえると、SARS-CoV-2 ワク○のベネフィット・リスクの判断については、各国・地域の状況によって異なる可能性がある。その他、民族的要因の差が SARS-CoV-2 ワク○の有効性及び安全性に 影響することも考えられる。そのため、海外で発症予防効果を評価するための大規模な検証的臨床試験が実施される場合においても、国内で臨床試験を実施し、日本人被験者において、ワク○の有効性及び安全性を検討することは、必要性が高いと考える。

申請者は、本剤の国内臨床試験の計画時点で、海外で構築した。
機構は、現時点でCOVID-19 の発症予防効果の代替となる評価指標が明らかになっておらず、発症予防効果と免疫原性との関連は明確ではないものの、迅速な SARS-CoV-2 ワクチンの開発が求められている状況等を考慮すと、本剤の有効性については、海外の検証的試験(海外 C4591001 試験)の成績に基づき評価し、それに加えて国内臨床試験成績から日本人の免疫原性及び安全性を確認することで、日本人における本剤の有効性及び安全性を評価することとする。
                          
現在の主流のウイルスで認められる D614G 及び各種の変異を有する S タンパク質遺伝子を挿入した 様々なシュードウイルスに対して、本剤の被接種者より得られた血清の中和作用が確認されていること 等の研究結果を踏まえると、2021 年1月27日時点で流行している種々の変異株に対して本剤の一定の 有効性は期待できると考える。しかしながら、SARS-CoV-2 の RNA ウイルスとしての生物学的特性や、 COVID-19 回復者血清の反応性が低い変異株が報告されていること (https://doi.org10.1101/2021.01.18.427166(最終確認日:2021 年 1 月 27 日))等も考慮すると、今後の 流行において、本剤による免疫応答を回避する変異株が出現する可能性もあり、各変異株に対する本剤 の中和作用については、製造販売後も引き続き情報収集し、新たな知見が得られた場合には必要に応じて情報提供する等、適切に対応する必要がある。

本剤又は本薬を用いた非臨床薬物動態試験は実施されていない。

遺伝毒性試験
本剤に含まれる mRNA は天然型の核酸から構成され、新添加剤(ALC-0159、ALC-0315 及び DSPC)にも遺伝毒性の懸念がないことから(2.R.4.2 参照)、
本剤を用いた遺伝毒性試験は実施されていない。

がん原性試験
本剤は臨床での使用が 6 カ月以上継続される医薬品ではないことから、本剤を用いたがん原性試験は実施されていない。

「安全性に係る情報の発信について、適切に協力すること。と記載されているのに、黒で塗り潰されて分からなくしている部分が大量にある。現実に接種して知見データを取集するっていうのかこの国は…」
「私たち、大変なことをしているんじゃないかって思うの…」

かつゆきは
まゆみに頷いた。


(資料は73pにも及ぶ)

1つの解決方法である事は間違いない。
ただ、わたしは仕事柄、
元気な身体の免疫力を故意に低下させることに
疑問を感じざるを得ないのだ。


上田慎一郎


なぜ「緊急事態」が解除されないのか?
ファイザーのウェブサイトの最初の文章に
どのワク○も承認されていません。
「緊急事態」での使用しか認められていない。
「緊急事態」がなければ、実験的なワク○もない。


創作料理とワインのお店 上田慎一郎
hp:https://shinichirou-ueda.com/

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