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ぶ告罪と虚偽告訴罪の違い。伊藤詩織さんの場合。



こういう質問というか、コメント頂いたので、訂正と、このツィートをした目的を書いて見たいと思います。

ぶ告罪とは

「虚偽の申告で人を貶めること」で虚偽告訴罪の古い言い方です。中身は同じ。私も少し説明不足だったので、別の罪と勘違いしてしまう人が出るのは致し方ないですね。

伊藤詩織さんは被害の証明が出来ない

これはいけません。伊藤詩織さんの被害の訴えはご本人の実体験によるもので、それを証明できないのなら訴えてはいけない、ということを多くの人に周知させたかったのです。被害の証明がなくとも詩織さんのように訴えれば認めてもらえる_と思う人が出てきたら危ないことです。

性被害を受けたらまず、証拠を集める事_直ちに警察へ行き、その場で被害の状況を申告する。詩織さんは警察に性被害の申告に行ったら署内でたらい回しにされた、というようなことをインタビューで答えているようですが、そんな事は絶対にありません!性被害は刑事事件なので、刑事課強行班係が対応してくれます。

詩織さんの警察への性被害の申告は事件から約一週間経っており、事件現場もホテルなので証拠品や被害状況などが清掃されています。これは厳しい。

詩織さんの場合、ホテルから出てすぐに最寄りの警察署(高輪警察管轄内交番)に駆け込めば、その場で警官が事件現場のホテルに急行して加害者を逮捕、部屋にあったパソコン等を証拠品として押収してくれます。

すると、自分が盗撮されていた(詩織さんが性被害に遭っていた事を証明できる重要な証拠になります)「かもしれない」パソコンもすぐに記録を調べてくれます。

これらの性被害者必須の行動をしていないので、被害の証明は周囲の目撃者の証言と詩織さんの訴えのみ。

それも酩酊しており、覚えていない_という事を本当にインタビューに答えたのなら、中村格氏の「公判が維持できない」と山口敬之氏を逮捕しなかったことについて返答したことも頷けます。

証拠なく、証明なく、人を訴えたら罪になる。

こんな当たり前のことを、成人してからわざわざブログに書く日が来るとは思いもしませんでした。

自分が相手の行動にムカついたから「犯されました、怖くて申告する時間が経過しました、パソコンで盗撮されました、警察の押収したパソコンは当時ものじゃないか、録画を削除したのでしょう」なんて事を証拠もなく、証拠もないから証明もできないのに、警察に訴えたり、それを本に書いたりしたら、訴えられますって。

自分の想像と記憶だけで事件を立てる事はできないんです。そんなことがまかり通ったら、世の中頭のおかしい人が最強になります。警察を使って私憤を晴らすことはできないんです。事実と証拠の積み重ねが必要です。それをしないで人を訴えたら刑事罰が待っています。

だから、詩織さんは今、虚偽告訴罪と名誉毀損で山口敬之氏から訴えられているんです。

山口氏の名誉が残っているかは司法が決める

山口敬之氏は妻帯者なので、詩織さんと一夜を共にしたのは不倫だ、だから名誉は残っていない、というツィートを見かけて驚きました。不倫したら罪をでっち上げられても反論できない、告訴できない、なんてことは人権侵害です。

「あいつは不倫したんだ、だから名誉なんかない」これは法治国家の否定であって、市民が気に入らない人間を公開裁判して処刑するようなものですよ。それは大衆リンチです。これは逆に、自分の事を気に入らない人間から勝手な言い分で自分が処刑されても仕方ない「未来」を受け入れることになります。

危険です。

社会から隔絶された死刑囚にも名誉毀損が認められる

林眞須美死刑囚が拘置所から手書きの訴状を出し、マスコミ各社を訴えて損害賠償が認められています。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018031501211&g=soc より引用〜

テレ朝に賠償命令、林真須美死刑囚の名誉毀損。「大阪地裁「和歌山市の毒物カレー事件で再審請求中の林真須美死刑囚(56)が、ワイドショーの放送で名誉を毀損(きそん)されたとして、テレビ朝日に500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(田辺麻里子裁判官)は15日、「社会的評価を低下させた」と述べ、30万円の賠償を命じた。判決は1998年10月の放送と新聞テレビ欄の記載について、林死刑囚が不当に保険金を得る目的で宗教団体に入信した疑いがあるとの印象を与えると指摘。名誉毀損に当たり、入信が事実であるとの証明もないと判断した。」

他、フジテレビ、長崎新聞なども賠償が命じられています。

社会から隔絶された大阪拘置所。

そこに収監された死刑囚にも、報道被害で社会的評価を低下させられたとする訴えで名誉毀損が認められています。

裁判所は、人は死ぬまで、どんな環境にいる人間にも名誉と人権は守られるべきだ、との司法判断を示したのです。

リンチは日本国憲法が禁止する憲法違反である

日本国憲法第31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」

法の手続き以外のやり方で、人に制裁を加えたり、警察を使って人を貶めようとしたり、公表行為によって民衆に攻撃を加えるように示唆したり_

これらは違憲行為であり、法治国家の秩序を乱す悪質な私的制裁行為であるので、虚偽告訴罪の刑罰は重いのだと思います。

今の所、詩織さんの性被害の訴えは刑事事件では送検されて不起訴となり、山口氏が訴えた虚偽告訴罪と名誉毀損は書類送検されて、検察の判断を仰ぐ段階です。

不起訴になれば、また議論は変わりますし、起訴されたら公判を待てばいい。公判が進めば裁判資料も公開されますし、また議論も深まります。あまり騒ぎ立てずに、時を待てばいいと思います。

詩織さん擁護派が山口氏の訴えを証明している

山口氏への汚い罵詈雑言が私のタイムラインにも回ってきます。おそらく、詩織さん擁護派のものと思われますが、これは山口氏の訴えの正当性を証明してしまうのでやめたほうがいいと思います。下手すると、裁判資料として、ツィートが提出されてしまいますよ。

つまり、詩織さんの公表行為によって、どれだけ山口氏の名誉が傷ついたか、の証明を詩織さんの擁護派がやってるわけです。山口氏は刑事事件では有罪にならなかった。

これはこの事件を論ずるに当たって忘れてはいけないポイントです。

詩織さんが事件後のホテルから出る映像は可愛いポンパ風の髪型で今しがたレイプされた女性の姿ではないですし、事後のメールも同意があったと推察されるものが多いです。

民事で勝った部分は「不同意性行為で迷惑をかけられた」という内容のものですので、性暴力の被害者、として詩織さんがマスコミで活躍するのはどうかと思いますよ。ですし、今は詩織さんが虚偽告訴をした可能性を視座に入れて議論をしないと、どんどん論点がずれていって収集がつかなくなりますよ。

今、進行している控訴審は一審をリセットしてやり直し、山口氏が訴えた刑事告訴は書類送検されて検察が起訴・不起訴か判断する段階。

それ以上でもそれ以下でもないです。

一審の賠償命令は確定じゃないし、最終的には最高裁判決が出ないと、詩織さんの訴えが認められた事にはならないのです。

そこは間違えないようにしましょうよ。

もう一度書きます。嘘を書いて相手を貶めたら名誉毀損が成立します。嘘を言って相手を訴えたら虚偽告訴罪で訴えられます。

詩織さんがその行為をしたのかどうかは、今後の司法判断を待つべきです。

山口氏に名誉が残っているかどうか、なんて一般市民が判断したり評価を下せるものじゃないし、人は人を証拠無くして訴えたり、証明できないのに相手を罪人扱いしたら罪になる、という当たり前の事を一人でも多くに人に知ってもらいたくて、上記リンクのツィートをしました。



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