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水道広域化について上田市は意志を持って交渉しているのか?~2024年6月議会②~



水道広域化協議会において上田市はイニシアチブを取れているのか?

(斉藤達也) では、次に移ります。協議会における上田市のイニシアチブの取り方について伺います。
 1点目として、市長は広域化の是非を判断する上で重要な要素の一つである上下水道一体化について、協議会での検討を提言していくと明言していますが、協議会が所掌する事務には上下水道一体化の記載はありません。また、市は、他の事業体と比べて遅れている水道施設の耐震化や管路の更新について、優先的に取り組むべきとの考えの下、交渉していくとしているが、具体的にいつ、どのように上下水道一体化検討の提言や優先的整備の交渉をして、議論のイニシアチブを取っていくのか。
 2点目として、県に対する財政支援の働きかけについて、令和5年9月定例会における一般質問において、他の構成団体と協議し、一体となって取り組んでいきたい。主張すべきことは主張して、是々非々で判断しながら取り組んでいると答弁しています。他の構成団体との協議結果など県に対する財政支援の働きかけの進捗状況はどうか、以上2点お尋ねし、第2問といたします。

上下水道一体化ではなく「下水道事業との連携」にトーンダウン

市長(土屋陽一君) 水道事業広域化の市民説明会において、デメリットとして下水道事業を分離することによる事業効率の低下の懸念もあることも説明してまいりました。上田長野地域水道事業広域化協議会に参加するに当たりまして、上田市としては下水道事業についても研究が必要と考えていることをお伝えしている中で、協議会規約の協議会が所掌する事務の一つとして、下水道事業の連携に関することを盛り込んでおります。今後の協議会の検討においては、上下水道一体での広域化の可能性や、下水道事業についてはどのような連携が可能か、課題の整理を行い、検討していきたいと考えております。
 また、先進事例の広域化を進めている事例では、上下水道一体化で広域化している事例はございません。本年4月に水道事業の水道整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省に移管され、官民連携をはじめとする上下水道の共通課題に対して、上下水道一体の取組を推進する必要が示されたことから、国の動向も踏まえて研究してまいります。

上田市内の施設の耐震化や管路の更新は優先的に取り組むべき

 次に、水道施設の耐震化率や管路の更新率について、現在、上田市は他の構成団体より低い状況にあります。広域化に取り組む場合は、圏域全体を俯瞰する中で対策が遅れている地域や施設については優先的に取り組むべきだと考えております。いずれにしましても、本年4月に設置した上田長野地域水道事業広域化協議会において、構成団体と協議する中で、下水道事業との連携や、施設の整備計画につきましては、遅れている施設整備に対する優先的な整備について、首長クラスが出席する協議会はもとより、公営企業管理者・部局長クラスで構成される幹事会等においても、上田市としての主張を十分に伝え、協議に取り組んでまいります。
 2点目の県に対する財政支援の働きかけですが、現段階では正式な働きかけはしておりませんが、上田長野地域水道事業広域化協議会で明らかとなる事業統合の内容や詳細な財政試算も行った上で、構成団体と協議して県に対して財政支援をお願いしてまいりたいと考えております。
 水道事業は、人口減少で経営の厳しさが増す中、また一方、大規模災害対策も喫緊の課題でありまして、安全安心な水道水を将来にわたり持続的に供給するため、広域化は一つの方法として是々非々で判断しながら取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

(斉藤達也君) ご答弁いただきました。市長が今、答弁の中で触れられた所掌する事務ですね、協議会の。その中に確かにあるのですよね、下水道事業との連携に関することという言葉が。この言葉だけだと本当に弱いなって思うのです。上下水道一体化ってもっと大きな話ですし、今の市長の答弁では、他の広域化したところでは上下水道一体化してやったところはないという話もありました。私の今の質問は、上下水道一体化でしたり優先的整備の交渉について、具体的にどのように議論のイニシアチブを取っていくのかということをお聞きしたわけですが、優先的整備の交渉については協議会のみならず、幹事会でも市長が伝えて協議していくということが分かりました。
 上下水道一体化に関しては、もう実質的に議論できる余地はないのかなというふうに思っているのですが、そこはいかがなのでしょうか、再質問させていただきます。

割高な下水道料金に加え水道料金も値上げとなると、いよいよメリットが感じられないのでは・・・

市長(土屋陽一君) 上下水道の一体化についての議論につきましては、先ほど申し上げましたように、現在、幹事会等でその辺は進めておりますが、今はどうしても水道事業の広域化というのが大きな大前提という形で進んでおるのは事実であります。それと上水道は上から提供していくという形になりますけれども、また、今現在の中では上田市の水道につきましては、上田市民に提供するということになっております。諏訪形の浄水場につきましては下流の地域にということですので、水道の供給についても全く変わらないというふうに考えております。
 下水道については、これは下水道を別な団体に送るということ、そして処理場を増やすということ、そういうこともありますので、一体化という表現をどういうふうに捉えるかは別としましても、それぞれ考えていかなければいけないということは事実でありますので、今は上水道が先行しているというふうに考えていただければと思っていますので、よろしくお願いします。いずれにしましても、連携については検討していくということでありますので、よろしくお願いします。

(斉藤達也君) ご答弁いただきました。いずれにせよ連携については検討していくというお話で、幹事会のほうでは上下水道一体化についても議論を進めているという話がありましたので、これについてはまた委員会とか今後の一般質問のほうで確認させていただければと思います。いずれにしましても、上田市の場合、今、水道料金に関しましては、県内の中でも相対的には安いほうにありますが、下水道料金は高いほうなのですよね。これで広域化した場合に、一番値上げは抑制できるとはいっても、メリットが少ないのが上田市の上水道の料金でして、それでもともと高い下水道もこれから設備の更新とか今後出てくる中で、割高な下水道に加えて上水道のほうも比較的高くなってしまうということになると、上田市民にとって本当にメリットになるのかなと。水道料金一つ取っても、そこは非常に感じるところがあります。


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