水道料金がまた値上がりするかも!?~2023年9月議会②~
水道料金はコロナ禍にも値上げしたから当面心配ないはずだよね?
(斉藤達也)では次に、上田市は令和3年10月から水道料金の8.3%の値上げを行いました。その背景として、水道施設の多くが更新時期を迎えていること、さらに多発する自然災害に備えた耐震対策等も求められているため、今後年間約15億円を投じて計画的に老朽化した施設の更新等を進めていく必要があること、それに加えて人口減少による料金収入の減少も見込まれ、10年後には内部留保資金が大幅に減少する見込みであるという背景がありました。
当時の産業水道委員会での説明資料には、8.3%の値上げを行うことで少なくとも令和12年頃までは必要な内部留保資金、16億円から19億円をおおむね確保できる見通しであることがグラフで示されています。一方で、広域化に関する市民説明会では、令和12年頃には上田市単独で経営した場合の水道の供給単価が、広域化した場合より大幅に値上がりするグラフが示されています。つまり、同じ令和12年時点の将来予測などに、一方では8.3%の値上げで当面は問題がない、一方では市の単独経営では値上げは免れないというようなことを示す、食い違った説明がなされていることになります。
そこで伺います。1点目として、令和3年10月に実施した水道料金改定について、令和3年6月の産業水道委員会の議案審査の中では、8.3%増の料金改定を行うことにより令和12年頃までは必要な内部留保資金が確保できる見通しであると説明があったが、現状内部留保資金はどうなっているか。また、今後の見通しはどうか。
2点目として、管路や浄水場等の更新計画について、令和3年の料金改定時に前提とされていたものと、現在の水道事業広域化検討の中で上田市単独で経営する場合に前提とされているものは異なるか。また、前提が異なる場合、影響はどうか。
以上2点お尋ねし、第2問といたします。
コロナ禍の料金改定による増収分は燃料費・物価高騰で相殺!そして令和7年度には更なる値上げの可能性も・・・
上下水道局長(堀内俊克君) 内部留保資金はどうなっているか、また今後の見通しはどうかというご質問でございます。
令和4年度決算時の上田市水道事業会計における内部留保資金は28億円余となっておりますが、現在の内部留保資金には令和4年度から令和5年度への繰越事業への充当分約10億円が含まれておりますので、その分を引きますと18億円余と、料金改定時の見込みである19億7,000万円余より少ない状況でございます。
なお、今後の見通しについては、令和3年10月に料金改定を行ったところでございますが、料金改定により本来内部留保資金として確保する予定であった増収分を昨今の燃料費高騰や物価高騰分へ充てることになり、議案審査の中でお示ししたとおりの内部留保資金の確保は難しい状況となっております。
今後、前回の料金改定時にお示しした16億円から19億円の内部留保資金を確保するため、次回料金改定の時期に当たります令和7年度においても検討する必要があると考えております。
管路や浄水場の更新にかかるコストも上振れ
次に、管路や浄水場等の更新計画について、上田市単独で経営する場合と広域化で検討する場合の前提条件が違うかというご質問でございます。令和3年10月の料金改定時において、将来の更新需要費を算出するに当たり前提とした更新計画は、平成31年3月に策定した上田市水道ビジョンとなります。このビジョンにおいては、施設及び管路の更新基準を法定耐用年数ではなく、これまでの使用実績や他事業体の例などを参考としながら、上田市独自に設定した更新基準により将来の更新需要費を算出しております。
管路であれば、法定耐用年数が40年であるところを最長80年の耐用年数とする、管路の更新率を直近10年間では平均0.66%とするなど、管路の経年化を解消しつつ、整備事業量の急激な増加とならないことに留意する設定とし、またアセットマネジメントの手法を取り入れた事業の平準化を図ることにより、80年先まで見据えた更新需要費を算出し、この時点では年間約15億円の投資額を目安とするとしております。
一方、上田長野間の水道事業広域化検討において実施した財政シミュレーションにおいて前提とした更新計画は、各水道事業者のそれぞれの更新計画を持ち寄る中で、各事業者で異なる独自の更新基準や管路更新費の根拠となる1メーター当たりの工事費、または毎年の管路の更新率を0.8%に統一するなど、基本条件を整合させることで広域化検討の他事業者と比較できるようにしました。この広域化検討においては、上田市単独の年間投資額は18億円から19億円を目安とすると算出しております。
これにより、料金改定時等の上田市独自による更新計画と広域化検討にて示す上田市独自の料金の推移は、以上の点などによる相違により年間投資額が同一とはなっておりません。ただし、近年の物価高騰等を鑑みると、広域化検討における上田市単独の料金推計が現状に近い状況を示しているものと考えており、令和3年度の料金改定時に前提とした上田市水道ビジョンにて示す更新需要費の見直しが必要となっていると認識しております。
以上を踏まえ、今後の詳細な広域化検討においては、上田市単独における更新需要費を再検討するなど、皆様に精度の高い情報を提供するよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上となります。
(斉藤達也) ご答弁いただきました。とても本当に真摯に答弁いただけたと思います。当時の前提と広域化前提では、広域化の前提は異なっていると。今の状況を踏まえると、広域化の中での単独での前提のほうがより厳しいのですけれども、それが実態に近い状態であるということがよく分かりました。
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