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トマトと茄子

 9月、台風が2度やってきた。

 私の畑にあるトマトと茄子たちは、夏の終わりになっても、実をつけること生長することの役に活き、ぐんぐん大きくなっていた。それが、支柱やネットと共に共倒れしていた。

 次の野菜を植えたい、支柱やネットからトマトと茄子を解放したい、そう考えた。

 まずは支柱を10本抜いた。そのままにしておく方法もあった。でも、このトマトたちをどうにかしたい、片づけたいと考えた。

 無意識に鋏を持ち、切り刻んでいく。

 「またね。ありがとう。土に戻ってね。畑の栄養になってね。」「ありがとう。」とつぶやきながら。。。

 いつのまにか無言で夢中になっている自分に気が付く。

 私、破壊者だ。

 ハートが閉じていく。

 自分の正しさで行動した結果、罪悪感を持つ。

 切り刻まれた茎を見て、なんだか泣けてきた。

 暑い夏、畑の草刈りをしてボーっとしてくる。すると、トマトやナスは小さな木陰を作って私を癒し守ってくれた。

 暑い夏、暑さで喉が渇く。そこにあるトマトを食べると、元気になった。

 

 夕方暗くなるまで一人で向き合い、最後、ネットを引っ張てもトマトの茎や葉は抜けないけど、トマトの茎を引っ張るとスーッと抜けて、ネットからトマトと茄子は離れた。

 最後までけなげだった。

 ありがとう。

 つきまる


 

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