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民法906条について〜遺産分割の基準

 私は現在の職場でお客様より相続関連のお手続き等の相談を受けております。日頃、民法の第五編『相続』を参考にお話を伺うことが多いのですが、ある時
ふと気になる条文を見つけました。
 それは第三節「遺産の分割」の冒頭にある第906条(遺産の分割の基準)です。

「遺産の分割は遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」とあります。
要は平等な分割では無く、各家族の事情を考慮して遺産分割を行えとのことなのでしょうか(私は学者さんで無いので本当の条文の主旨を説明するのは難しい)。

遺産分割に際し、預貯金だけの財産ならば法的相続割合か相続人の数で頭割りすれば、相続人間でそれほどの不満なく妥結となるでしょう。
しかし被相続人の財産種類が預貯金だけでなく、不動産や自社株などの事業用資産もあった場合には事情は変わります。


財産もとんかつのように簡単に単純に分けられれば良いのですが😃

当然、自社株などは事業を引き継ぐ後継者が相続しなくては立ち行かなくなります。また自宅🏠不動産も同居している相続人がいれば、その方が引き継ぐのがベストだと思います。
厄介なのは自社株や不動産の相続税評価額がかなり高い場合です!
頭数で平等割など到底難しく、相続した人の取り分が全体の相続財産に対して
かなりの比重を占めてしまう傾向があります。事情をお互い理解している寛容な家族ならば問題は起きないでしょうが、腹に一物ある関係であれば、平等に分割しろとのことで、その代価を主張するケースも出てくるでしょう。

こういった財産種類が多い方は、やはり遺言書を作成する方が良いとつくづく感じます。
この民法第906条が法定相続分の条文(第900条)より後に記載されているのはなんだか皮肉な感じがいたします🙂

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