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マネーリテラシーと相続リテラシー

 2024年より新NISAが始まります。各金融機関がその口座獲得合戦の様相を呈し、宣伝も賑やかになっている感があります。
長い事、大半の日本人の潜在意識の中にお金の事を真剣に考えるのは、賤しい、守銭奴のように見られるのは恥だと言う観念があったように感じます。
ところが近年「貯蓄から投資」への号令のもと、若い方々を中心にその意識が変わりつつあることを、金融機関の最前線の現場に立つものとして、日々実感いたします。

私は投資についてはFPでありながら、難しいことは言えませんが(相続に特化したFPという立場の言い訳(笑)m(__)m)、それでも投資を始めると経済や世の中の動きに敏感になるとういう長所があると感じます。

今後、国の旗振りのもと、投資教育が浸透してくれば、おのずと資産形成に対する感度も、もっと高くなっていく気がします。FPの方々も相談の腕の見せどころですね。

さて翻って、相続について。普段は終活の一環として、遺言書の準備をお勧めしているのですが、こちらの意識は極めて低いですね。勿論、しっかりと準備を進める方も少なからずいらっしゃいますが。

山頂の景色は登った者で無いとわからない=相続は経験した者で無いと大変さがわからない



反応が鈍い要因として
①まさか自分の家で、「争族」が発生するとは思わない。
②いままでの人生で相続(手続き)をあまり経験していないから、実際にどういうものかイメージが湧かない。
③自分の「店じまい」のことは考えたくない。

 これは、冒頭に書いた金融教育の不足と同様に「お金のことを考える」に加え「形成されたご自身の財産をどのように引く継ぐか」ということも若いうちから頭の片隅に意識していくことが大事と考えます。今の流行りフレーズを借りるなら「相続リテラシー」ですね。人生の中での相続の場面を意識することによって、家族や親族に対する気持ち、築き上げた財産の引継ぎ(相続人がいない方は、寄附行為等もできる)が徐々に醸成されていくと思います。また意識をすれば、民法相続編の内容も自然と理解をしようと意識することになります。(相続対策を意識することになって、初めて相続の仕組みを知る方も多いように思います。)
相続の場面になって、慌てることの無きよう「相続教育」もとても重要と感じます。

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