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人口減少対策に「プランB」を        増田寛也

人口流出止める「ダム機能」を

日経ビジネス 新春スペシャル ニッポンの活路 からの引用  2023.1.4

人口流出止める「ダム機能」を

ー 少子化対策が喫緊の課題です。-

 少子化への対応は「国土構想」部会に関係する重要テーマです。私は13年、このままでは低出生率と東京一極集中により「多くの地域が消滅に追い込まれる恐れがある」と警鐘を鳴らしました。安倍晋三政権で少子化対策や「地方創生」が主要政策に位置づけられ、様々な取り組みが行われてきましたが、残念ながら出生数は急減しています。22年の出生数は初めて80万人を下回りそうです。
 少子化が進めば現役世代が支える社会保障制度が揺らぎ、労働投入量も減るので経済の成長力が下がっていきます。政府は出産育児一時金の増額など子育て世代への支援の充実を図ろうとしていますが、問題は若い世代の間でそもそも結婚や出産に消極的な見方が広がっていることです。「結婚はしない、子どもは必要ない」といったライフスタイルや考え方を前提に経済社会や地域の活力を維持していくための「プランB」を検討すべき局面だと思います。

ー 国土構想部会での検討状況はいかがですか。-

 人口増を前提に開発などハード面に注力してきた従来の構想から、ソフト面に比重を置く方向への転換を議論しています。例を挙げると、リアルとバーチャルを組み合わせることで多様な人々の連携や暮らし方、地域産業の活性化を後押ししていくことや、地域と継続して関わりを持つ人口の拡大・深化、テレワークなどによる副業・兼業の推進、都市部の大企業人材の活用策などが具体的な検討テーマになっています。
 個人的にこれまでも提言してきましたが、地方圏からの人口流出を食い止めるには30万~50万人規模の都市を中核に、近隣市町村とのネットワーク形成や都市機能の集積を図るべきだと考えています。改めて、こうした「ダム機能」や地方経済のけん引役づくりの強化への取り組みの重要性を訴えていきたいと思います。

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/01663/

少子化対策と同時に人口減少前提社会の構築を

 元岩手県知事・元総務大臣で日本郵政社長の増田寛也さんの日経ビジネスの記事からの引用です。
 増田さんはこれまでも人口減少問題に警鐘を鳴らし続けてこられましたが、その主張は厳しい現実から目をそらさずにきちんと向き合うべきというものです。
 私も同感です。
 政治家も人気商売ですから、暗い現実の話を避けて明るい将来のことばかりを取り上げがちですが、厳しい現状を正しく認識して、その対策を提示していくことも重要な役割です。
 先日取り上げた岸田首相の異次元の少子化対策についても、今すぐに取り組まないといけない重要な政策ですが、その対策の効果が出るには20年以上かかるはずで、その前に地域が崩壊してしまっては元も子もありません。
 少子化対策と人口減少前提社会の構築の、攻めと守りの両面作成が必要だと考えています。

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