口臭の悩みを解消するには…歯科治療だけでは無理!?

口臭の一番の悩みは、臭いによって「周囲から自分がどのように見られる?」という不安や恐怖によるものです。

そのため、私の所へくる相談でも、「口臭が気になる」「口臭が気になって人と話せない」という内容が多いです。

悩みやストレスというと、女性が多いという印象が強いかもしれませんが、口臭の悩みに関しては、ほとんど男女差はありません。

一般的に口臭というと、「歯科分野」だという認識だったかもしれません。確かに、大抵の(9割の)口臭は歯科疾患(主に歯周病)と、歯垢・歯石、舌苔が原因になっているため、そう思っても間違いではありません。

しかし、一部の患者さんの中には、歯科治療を受け、定期的に歯石除去、歯をクリーニングしてるのに、口臭が改善しないケースがあるというのが実態です。

日本口臭学会では、「口臭で悩む症状」を口臭症と定義して、次のように分類して、歯科治療だけでは解消できない「口臭」に悩む患者があるといっています。

口臭症
 ・生理的口臭
 ・病的口臭→①器質的口臭(歯周病などの原因がある)
      →②心理的口臭(ストレスなど神経性口臭、精神病性口臭)

歯周病が進行すると血や膿が出るために口臭がひどくなります。耳鼻科疾患から膿栓(臭い玉)がたまると喉からドブのような口臭が出るようになります。しかし、これらは臭いの原因となる病気を治療することによって、口臭を改善することができますよね。

→ 膿栓(臭い玉)が見えない場合の取り方・対策は?

また、分厚い舌苔が着いていると、卵の腐ったようなひどい臭いがします。しかし、舌苔ができるのは、胃腸の不調やドライマウスが原因であることが多いので、それらの原因を対策することで臭いを軽減することができます。

→ 舌が白い!舌苔の治し方って知っていますか?

口臭が改善されるとストレスも減り、唾液分泌が増えて、舌苔が取れていく。そして、口臭の悩みも解消されていくことになるでしょう。

ところが、心理的口臭は厄介です。歯科治療をしても、耳鼻科治療をしても、どれだけ丁寧な歯磨きケアをしても、「口臭の恐怖」が消えないのです。(※口臭恐怖症、自臭症、妄想性口臭ともいう)

口臭恐怖症の人のよくある症状は…

1、 (私の口臭がひどいから)近くの人が咳やくしゃみをした。
2、 (私が話すと)相手が口に手を当てる。
3、 事務室やお店で、コソコソと(私の息が臭いと)噂話をしていた。
4、 自分が部屋や車の中に入ると、(口臭がひどいから)窓を開けられた。
5、 歯科で相談しても、(治らないから)「臭わないです。」と相手にされない。

このように、心理的な口臭恐怖症の患者さんの場合の特徴は、周囲の反応によって「口臭がしている」と判断することにあります。

それだけではありません。口の中の粘つきや苦みなど口腔感覚によっても口臭の不安を感じます。

不安感覚

・口内のカラカラ感(乾燥)
・唾液のねばねば(唾液の停滞)
・口の中が酸っぱい(唾液の酸性)
・口が苦い(臭気物質の唾液への溶解)
・食べた後の味が残る(舌への付着)

以上のような口腔乾燥(唾液量の減少)が口臭の原因になっている場合には、薬の副作用が影響しているケースが多いです。その場合は、服用中のお薬を替えると改善するかもしれません。一度お医者さんにご相談されてはいかがでしょう。

それでは、ストレスなど心理的口臭の場合には、どのように対処すれば「口臭の悩み」を解消できるのでしょう?

口臭の悩み(不安・恐怖・ストレス)を解消するための重要なポイントをご紹介しますので、ご参考にしてください。

1、 まず大切なことは、口臭チェックです。口臭外来で口臭検査を受けたり、簡易口臭チェッカーの数値などによって「口臭の程度」を認識することが大事です。(口臭の原因が心理的・精神的なものか分かる)
2、 歯科で検査をして、疾患があれば治療を受ける。(耳鼻科疾患も同様にする)
3、 不眠が続くとか外出できないなど、不安や鬱の症状が強い時は、精神科や心療内科を受診するようにしてください。

悩み事を抱えることは、悩みを悪化させます。口臭で悩んだら、親身になってくれる家族や友達に話して見るとか、ヤフーの知恵袋などで相談(または他人の相談を覗いて参考にする)してみてはいかがでしょう。

そして、少しでも気持ちが楽になったら、深呼吸をして体を動かす、外に出る、積極的に人と話をすることをおすすめします。

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