見出し画像

【四柱推命】漏、多ければ良いというものでは、…

四柱推命では、木火土金水の五行のバランスを重視し、それぞれの五行の相互の働きから財や官の力量を見ます。古代中国では出世のためには官僚になることが大前提なので官を持っていることが評価されたり、財産管理に力を発揮する財を持っていることが評価されたりしてきました。

ですが、官や財が多ければ良いというものではありません。

官や財は多ければ良いというものではない、ときたら、食傷(漏)はどうでしょうか。漏は自分の内側から外側へ流れ出るエネルギー、表現したい、伝えたい、分かって欲しい、そういうものなので、芸術家や職人向きと言われます。

漫画家の山田花子さんをご存じでしょうか。24歳で自殺されました。生まれた時間が分かりませんが、この方も凄いんです。

生まれた時間によってまた様相が変わる可能性はありますが、いずれにしてももの凄い漏星です。日主乙以外全てが火という状態です。

私はこの方を「完全自殺マニュアル」で知ったので、山田花子さんがどういう人だったのかは、「完全自殺マニュアル」著者の鶴見済氏のフィルターを通して、あるいはWikiのフィルターを通して知る以外ありません。「完全自殺マニュアル」に記載されている山田花子さんは次のような感じです。一部を引用します。

 本人が自ら「対人恐怖症」と言い、外を歩く際には必ずサングラスをかけていたように、彼女の一生は他人の視線に怯え続けた人生だった。さらにいじめに遭い、ついに精神分裂病になって自殺した彼女の苦悩には、計り知れないものがある。そもそも暗かったり内向的だったり、ものごとをてきぱきと処理できなかったりする人は、この日本の世の中で生きていくのには適さない。19世紀イタリアの自殺研究家モルセッリは「自殺は自然界の生存競争において心身に不完全な点のある人が消滅する自然淘汰の一手段である」と説いた。これは間違いなく当たっている。山田花子も静かに”消滅”していったわけだ。

鶴見済著「完全自殺マニュアル」p90-91

私も最初、上の文章通りに「いじめを苦に自殺」と思ったのですが。

そもそも日主乙ですが、乙は可憐な草花です。力量的に弱いです。大運と言って10年ごとに回ってくる干支があるのですが、9歳4か月から19歳3か月までの10年が丁未で、命式が火だらけなのに輪をかけて熱いです。そして、乙は金(庚、辛)を嫌います。鎌(庚)に鋏(辛)なのですぐ切られてしまいます。1981年が辛酉なのですが、この年に中2にしていじめを苦に自殺未遂をしています。

その後、中3で漫画が入選、高1で連載を持ちますが、いじめが原因で高校は中退、NHK学園を経て1987年丁卯年に専門学校へ進学します。この年、ヤングマガジンで入選、連載を持ち、精力的に活動しますが、漫画自体は読者アンケートで不評となります。漫画だけでは収入が心もとないと1991年辛未年の7月に喫茶店でアルバイトを始め、翌年2月にクビになります。ちなみに大運は専門学校進学の前年から戊申になっています。乙は戊も苦手です。

ここで精神に異常をきたしたようで、クビになった喫茶店に通いつめ、3月4日に入院、5月23日に退院、24日に自殺です。

山田花子さんの漫画はおよそ一般受けしない感じです。が、同時に一度見たら忘れられないです。少なくとも私は、忘れられないです。

死後、親御さんが「表現者としての凄まじい生き方と自分自身に対する厳格さ」と語っていらっしゃって、いじめも大きな要因かもしれませんが、「いじめを苦に自殺」という単純なものではないと思われます。

これだけ漏星が大きいとさすがに踏みとどまれずに「伝えたい」「分かって欲しい」に振り回されて、振り切れたように感じます。ご冥福をお祈り致します。

皆様が幸せでありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?