F1がこんなに面白いなんて
F1と聞いても「そういえば昔は地上波で放送しとったのに最近見んなー。」ぐらいの印象しかなかった。
そもそもモータースポーツにまるで興味がなかったし、車が走って何が面白い⁉って考えだった。
そんな時、2019年の初め頃(やったと思う)Netflixで「Formula1:栄光のグランプリ」なるF1ドキュメンタリーが目に留まった。
普段ならスルー余裕だが、その時はちょうど鬼のように暇だったのと、30を2つ超えても家庭を持てる気配もない、ただ同じような毎日を繰り返す人間には何でもいいから変化が必要に感じた。食わず嫌いはいけないのだ。
…食わず嫌いしなくてよかった。。。
「Formula1:栄光のグランプリ」はとにかく編集の力が強く、映像がいちいちハチャメチャにかっこいい。ドキュメンタリーとは思えないぐらいドラマチックな出来事(編集のパワー)の応酬である。
番組はレースそのものよりも舞台裏がメインだ。ただレースを見ているだけでは絶対に知りえないスタッフの苦悩、喜び、怒り、絶望等々….とにかく熱い。熱すぎる。編集のパワー。
同じチームでもドライバー同士は決して仕事仲間なんて間柄じゃなかった。20席しかないF1ドライバーの椅子をかけて日々戦うライバルだった。
納得いかないレースの後はスタッフもドライバーもアドレナリンが暴走し、むき出しになった感情がビッグウェーブとなって押し寄せてくる。それを見てるこちらもその100分の1ぐらいだろうがもの凄くドキドキさせられるしうっかりアルコールも進む。
いつどこでどんなアクシデントが待っているかわからないレースでは一瞬も気を抜くことはできない。地上波放送でただマシンが周回するだけに見えた退屈なレースの裏側は色々な思惑や感情が渦巻くカオスな世界が広がっていた。
番組ではできるだけまんべんなく多くのチームを取り上げているが、トップ2チーム、メルセデスとフェラーリの密着取材は行われていない。チーム側から許可が下りなかったのだと思われるが、それも良かったかもしれない。
通常なら注目することもないであろう下位チームのもがき苦しむ姿(編集のパワーによる)を存分に堪能できたし、チームを存続させることの難しさも目の当たりにできた。
1シーズン見終わる頃には自然と推しのドライバーが出来ているだろう。私の場合はレッドブルのマックス・フェルスタッペンとハースのケビン・マグヌッセンである。
マックス・フェルスタッペンはその気性の荒さ、勝ちにこだわる姿勢がまさにMad Maxという感じで気に入った。インスタもフォローした(当のフェルスタッペンは番組内での自分は本来の自分ではなく編集のパワーが強く影響していると述べているらしい)。
ケビン・マグヌッセンは単に応援したくなる見た目である。インスタはフォローしていない。
人によっては推しのチーム代表者を見つけるなんて人もいるかもしれない。それぐらいスタッフやドライバーの人間模様が浮き彫りになり、それが強い編集で非常にドラマチックに仕上がっている。
Netflixに登録している人でまだこの番組を見たことない人はぜひ見てほしい。
現在は2019年シーズンをまとめたシーズン2までが公開されている。しかもシーズン2ではメルセデスとフェラーリも撮影に加わり、晴れてF1の全体像を垣間見ることができる。
そして現実だからこそ起こりえる強烈すぎるドラマが待っている!!(特にドイツGP)
編集のパワーが強すぎたせいかシーズン2は明らかに撮影クルーは煙たがられている描写がある。しかしそれでもやっぱり面白い。
F1って面白い。いつか鈴鹿に行ってフェルスタッペンが優勝する瞬間を生で拝みたいものである。
今年の日本GPはコロナの影響で残念ながら中止となった。来年以降推しのドライバーがいつまでチームに居るのかも分からない(そこもドラマ)からこそ、2021年は絶対に鈴鹿に行こう。
出不精の私を外出させたくなるほどF1が面白いなんて、うれしい誤算だった。食わず嫌いはよくない、見た目で嫌っていた茄子も勇気を出して食べてみよう。
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