銭湯を絡めた、人の集まる場を作れるか

昨今銭湯ブーム、サウナのブームの中で、旧来の形にプラスアルファした銭湯関連の動きにおもしろいものが増えたように思う。

>東京浴場
西小山にある東京浴場では7000冊の漫画がただで読むことのできる。
ほかクラフトビール、ソフトクリームなどの販売も行っている。
https://tokyosento.com/column/28796/

>小杉湯となり
高円寺にある小杉湯のとなりにコミニティスペースを作る動きがあった
https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/column/00008/083100011/

もともと銭湯は不特定多数の人が集まる場所だが、
風呂なしの物件に住んでいる人はかなり少なくなった昨今において、その役割は終えたようにも思う一方で、
西小山の東京浴場や、高円寺の小杉湯などの例を見ると、人の集まる場所として新しい役割を銭湯が獲得しようとしているのかもしれない。

東京浴場はとにかく親子連れの姿が目立つ。
漫画があると子供は銭湯に行きたがることもあるが、今の親世代は漫画を読んで育った世代なので相性もいい。
週末に父親とお風呂に行って、漫画を読んで帰ってくる。
親も風呂で日頃の疲れを癒やし、子供と一緒の時間を共有できる。
この形式に完全にハマった形だ。

また20代男性で3人ほどで訪れる姿も多くみられた。
それぞれに社会人になる中で週末地元の友達と銭湯に一緒に行って口を言い合い。
そのまま食事に行って、多少お酒を飲んで帰る。
大人になると生活に近い空間を他人と過ごす機会は少なくなるように感じる。
会社の付き合いはもちろん、友人が結婚したり、子供ができるとある程度外との関係性が希薄になるが、
公共の場として集うことのできる場としての銭湯がその隙間を埋めてくれるのかも知れないと思うと、その可能性は大きいように感じる。

カップルでの来場も見られた。
フォークソングの『神田川』ではないが、男女で隔たれた空間なのでその後の合流が障害になるが、
漫画を読める空間のおかげで問題は完全に払拭されている。

小杉湯となりは、東京浴場でいう読書スペースを外部に儲けたもので、
他の銭湯にも応用しやすいケースになった。

漫画が読める空間、カフェ、コワーキングスペース、ゲストハウスなど土地の属性に合わせて多彩な広がりを持たせることができる。
筆者は猫が好きだが、猫アレルギーなので、近くに銭湯がある猫カフェがあるととても嬉しい。

銭湯は、公衆浴場という名目なので料金が一律で決められており、比較的安価な娯楽と言える。
また生活インフラとしての役割からどこに行ってもある程度の数があり、地元に密着した存在であることは、郊外型のスーパー銭湯とは大きく異なる。
もととも人が集まる空間としてポテンシャルがある場所に、プラスアルファすることで新しい流れを作れれば、地元に及ぼす波及効果も期待できる。活かすべき資源として注目に値する。
一方で、後継者問題などで営業日を減らしたり、廃業するケースも増えているので、そこも含めてケアする必要はあるが、新しい人の流れのなかで解決することは可能だと考えられる。

■雑記
比較的男性向け
サウナのブームがあるので、絡められるといいかも

■ほか銭湯関係でおもしろい動き
>らくスパ1010
秋葉原にあるらくスパ1010は銭湯以外の機能としてランニングステーション、リラクゼーション、食事、漫画喫茶の役割をもつ複合施設になっている。
上記のケースとは属性が異なる物件だが、銭湯を活かすという意味合いではおもしろい。
https://rakuspa.com/kanda/

>千鳥温泉
大阪にある千鳥温泉で鏡の購入で協賛して募ったところ意外な盛り上がりを見せ話題になった。
地域の銭湯という限られた場所での広告が、ツイッターなどの外部のメディアに取り上げられることで拡散された。
銭湯側の救済にもつなげられ、協賛者には銭湯への当事者意識が生まれる。
鏡以外のところにも応用ができるし、可能性を感じた。
https://www.lmaga.jp/news/2020/06/129408/


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