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堀内たかおの府議会ウォッチ 15「既得権益を壊す改革の実体」

 10月12日の府議会総務常任委員会で、維新の森 和臣議員から、唐突に「ライドシェア※」の検討が必要という提案がなされた。府の企画政策課長に対して、タクシー乗り場で長蛇の列が出来ていると思うが、その様事例が増えているかどうかを質問していた。
 それに対して「その様なデータはございません」と、タクシーが不足しているという回答を期待していたようだったが、あっさり主張の根拠を否定されていた。
 その後は、交通空白地域とか輸送困難地域とか、およそ大阪の実情にそぐわない話をした。それに続けて、アメリカやシンガポールで導入されたとか、アプリがあるから相互評価出来るので安心とか、とにかく時代は「ライドシェア」の流れになっていることを、強調していた。
 現在、国交大臣の認可を受けているのは、通学・通院困難や介護に関して地域を限定して、新たな交通手段としている例はあると担当者が回答。

 森議員の質問は、吉村府知事がメディア相手に言い出した「ライドシェア」に注目させるための、知事質問のための露払い質問のようだった。
 都市部のタクシー運転手は、確かに高齢化が進んでいたり、配車アプリの普及で流しのタクシーはあまり見かけなくなっている変化はあるようだ。
 万博の目玉と大風呂敷を広げていた「空飛ぶ車」がとん挫しそうなので、次の目玉としての思い付きに「ライドシェア」を言い出したような印象しか残らない。
 万博への交通手段としては、会場に直接乗り入れも出来ない「ライドシェア」の導入はあまりにも拙速という感がある。道路交通法の問題もクリアする必要があるため、万博に間に合わせるという、この間の思い付き的アイデアでは運用は困難と感じた。
 外国での導入でも、uverのアプリでタクシーを呼ぶとか、実際の開業には免許が必要とか、白タクを認める様ないい加減な許可はしていないのが実態です。
 許認可を障壁とし、「既得権益を壊す改革」というフレーズが大好きな人たちが、どの程度まともに考えてこの「ライドシェア」の提案を持ち出してきたのか、次回で検討したいと思います。
「ライドシェア」は万博の目玉になるのかは次回に。

※「ライドシェア」は、有償で相乗りによるサービスを提供することを指す。現在、岸田内閣や、吉村知事ら維新議員が提案しているのは、配車アプリを使って、一般ドライバーが自家用車で有償で乗客を運送するサービスを指す。
アメリカ圏のUber(ウーバー)やLyft(リフト)、中国資本の(ディディ)、東南アジアでシェアを持つGrab(グラブ)やGoTo(ゴートゥー)などが提供している。
現在、国内でUberなどの配車アプリが行っているのは、タクシーの配車サービスに限定されている。

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