酒場とコミュニティ 04「地域からまちを考える」
大阪市福島区にある昭和時代のスナック街で、行ったら帰ってこられなくなることから通称が「地獄谷」と呼ばれているエリアがあります。その地獄谷で「地獄谷冥土バー」の店主をしている横田です。
今回、前回と収録しているのはその「地獄谷」と呼ばれるエリアの「地獄谷冥土BAR」というお店からです。
ボトムアップとしての福島万博
山口:大阪・関西万博があんなことになっている惨状を知った上で、「福島万博をしませんか」と福島区の商店街連盟に打診したところ、すこぶる反応がよく、ある商店街などは企画書まで書いてくれてきてくれています。
大阪・関西万博のようなトップダウン型のイベントではなく、地元からのボトムアップ型のイベントとしての万博ができないものかと思っています。
企画の例としては、各商店街のお店に世界各国の名産品などを展示販売することで万国博覧会をイメージしたいと思っています。まだ妄想レベルですけど。
よこた:奇しくも今年の「福島区民まつり」の副題に「福島区万博」と付いていましたので、同じになりますね
山口:確かにー。まあ、区民の方を観ているのか、大阪市長の方を向いているのかはよくわかりませんけど、「福島区万博」って大阪・関西万博を忖度しているようなネーミングですよね。コンセプトも主旨も違うので、ネーミングももうひと工夫必要かもしれませんね。
万博を万国のものをパクパク食べるという「万パク」にしようかという事も考えていますが、すでに同じ趣旨のイベントが行われているような気もします。
大阪市商店会総連盟では、以前大阪市が夢洲にオリンピックを招致するという際に、「一商店街一国運動」というイベントがありました。各商店街が一つの国を応援するというイベントなのですが、それが結構楽しかったんです。
どうせやるなら、みんなで考えて楽しく地域発信で盛り上がれるようなしくみ化ができればよかったんですが、結局、IRをやりたいための万博誘致だったから、そういう地域発信という発想が大阪府大阪市側には思いつかなかったのかもしれませんね。
地域―マンション―商店街―地域
よこた:今月号の福島区の広報誌に、マンションの理事の方と地活協(地域活動協議会)の方との話し合いの記事が載っていました。
その中で、マンションの方々が、地活協の活動を知らなかった、もっと知ってもらうべき、地活協加入促進にチラシを活用すべき等の意見がありました。
山口:ええ!それ縄文時代からの話ではないですか(笑い)。
よこた:縄文時代は言いすぎでしょう(笑い)。たしかに新旧の住い手がどのように接点を持って、文化を形成していくのかというのは、縄文時代からのテーマかも知れませんけど。
とても素晴らしいご意見なのですが、これらはもう何十年も前から同じテーマで話し合っていることなので、そろそろ「気付き」から「アクション」に移行しないと、このルーティンから脱却できないでしょう。
逆にマンションがイニシアティブを取って、イベントを自ら企画して区に予算を付けてもらうくらいになってもいいと思いますし、マンションの管理組合は、それが可能な組織だと思っています。
例えば、高層マンションの防災訓練などは動員を掛けずに数百人規模の参加者も見込めますよね。人を集める案として消防署に協力してもらい、はしご車が何階までとどくのかの実演をしてもらう等のイベントにすればさらに効果的だと思います。
また防災訓練で集まった人に対して、何か抽選会やビンゴ大会、その他のイベントにより、マンション内住民はもちろんのこと、地域との交流を深めるきっかけになる機会として捉えることも考えてもいいのではないでしょうか。
これらのマンションや、防災を含めた地域とのイベントを、福島区の商店街が中心となって企画できたらいいのになあと思っています。
山口:そういう部分での官民連携をぜひすすめてほしいですよね。今週も4回にわたり、ありがとうございました。
よこた:こちらこそ、ありがとうございました。