進化する自治を構想する 03「規模と環境と自治」
「自治」という概念、考え方、あり方はさまざまで、それは規模や環境、人口などによって変わる要素があります。
大阪市内のように1つの区が10万人前後の人口を持つような大都市部と、町の人口が1万人程度の山間地にある能勢町のような郊外であり、自然環境が多く残されているところでは、住民と行政との距離感も、行われる政策が及ぼす影響も違ってきます。また、必要とされる自治体としての事業も、その規模も異なってきます。
「進化する自治」を考えるとき、地域的環境や自治体の収入、人口、面積などの規模によって、自治のあり方も、捉え方は変わります。Aという地域で行える行政や自治が、Bという地にそのまま当てはめてできることもあれば、できないこともあります。しかし、地域が違えばまったく適用できないということでもなく、コンセプトや基本となる考え方はそのままに、アレンジのしかたや、環境に合わせて適応させることで、目的を実現させることができる場合もあります。
リニューアル後に始めた、「進化する自治を構想する」レポート。ここでは、いろいろな出自、バックボーンを持ち、実際に各々のやり方で行政とのかかわりを持ち、それぞれの方法で小さな自治を実現したり、体現されている方のお話を聞いています。
里山のことであったり、地域のくらしや文化を通じてコミュニティ活動を行ったり、また、議会という直接行政をモニターするなど、すべてが一様ではありません。一見、まったく無関係に思われるかもしれませんが、それぞれの活動は深いところで「自治」という概念で結ばれています。
例えば、伴年昌さんの提唱される「OLA革命」。セルフビルディングという建築のあり方を起点に、くらしの中での「自分度」を拡げることで社会環境とくらしのあり方を考え直し、変えてみようとする試みは、里山太郎さんの言われる「自立するしくみと地域循環」というあり方と通底しています。
現在掲載しているテーマが、すべて例として挙げたような結びつき方をしているわけではありませんが、取り上げるテーマやパーソナリティの方のお話は、深いところで、今後の「自治」のあり方のヒントになると考え、お送りしています。
来週からは、また里山太郎さんの「里山から自治を考える」の第2クールがはじまります。こうした背景を思い描きながら、パーソナリティのお話を聞いていただければ、また違った印象となるかもしれません。少しでもリスナーのみなさまのヒントになればと思います。
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