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プロジェクトを立ち上げるとき、何から決める?まずはゴール、目的、成果物を定めよう。

プロジェクトの立ち上げ時、どこから手をつけていいかわからなかったり、課題や問題が混沌とした状態にあったり、という場合がありますよね。

わたしの所属するコパイロツトは、プロジェクトリーダーに伴走しながら、プロジェクト推進のために最適な意思決定のサポートをしてきました。
そして、これまでの業務のなかで積み上げてきたプロジェクト推進の実践知をまとめた汎用的なメソッド Project Sprintをオープンソースとして公開しています。

Project Sprintは、とくに多様性のあるメンバーによる部門/組織横断のチームが、不確実性の高い環境・状況で、複雑なアウトプットを行う場合におすすめの方法です。

この記事では、そのProject Sprintをベースに、現在開発中のミーティングを活用したプロジェクト推進サポートのサービス SuperGoodMeetingsを使って、プロジェクト立ち上げ時の準備について紹介します!

プロジェクトの立ち上げ時に検討しておきたい3つの領域

まず、立ち上げ時に検討しておきたい3つの領域は以下のとおりです。

①プロジェクトのゴールとマイルストーンを設定する(進む方向)
②チームメンバーを知り、ロールを設定する(チーム形成)
③ミーティングを設計する(進めるための仕組み)

そのなかでも今回は、1点目の「ゴールとマイルストーンの設定」について紹介していきます。

「ゴールとマイルストーンの設定」のざっくりした手順は以下のとおりです。

①プロジェクトのゴールとして「達成したい状態」を決める
②ゴールに至るために必要な「最大の成果物」を検討する
③「最大の成果物」を得るために必要な「目標(マイルストーン)」を設定する

プロジェクトのゴールとして「達成したい状態」を決めていこう

SuperGoodMeetingsでは、プロジェクトに関して以下の項目を基礎情報として定めています。

・プロジェクト名
・プロジェクト期間
・ゴールを達成するために必要な成果物
・目的や理由
・ゴール=プロジェクトが将来達成したい状態

ですが、これも最初から全部を決められるわけではないと思います。

そのため、まずは「ゴール=達成したい状態」から考えていくことをおすすめします。

「達成したい状態」がイメージしづらい場合には、チームメンバーにとってより明確なプロジェクトの方向性を示せる内容でもかまいません。

たとえば、

・チームメンバーみんなが成功したと思う基準
・達成したい定量的測定 / 定性的評価
・解決したい問題・課題、完了しておきたい施策

などが挙げられます。

例として、新規サービス開発を行う場合の「ゴール」を紹介します。

1_ゴールを設定しよう

画像左下にある「ゴール」が「達成したい状態」です。

ゴール(※達成したい状態)
・プロダクトがベータ版でも一般公開できる形になっていて、ターゲットユーザーに告知できるようになっている。
・ビジネスモデルが確定していて、来期の投資について社内に承認が下りている

そのゴールから導き出された「成果物」と「目的」は以下のとおりになっています。

成果物
・サービスのベータ版(一般公開)
・来期の事業計画書
目的・理由
・自社のナレッジをサービスとして公開することで、自社の新たな事業として次のコアに育てたい。
・社内教育にも活用することで、オンボーディングプロセスにも活用したい。

ゴールの作成のポイントは、ゴールに至るまでに達成したい目標や成果物を書き出せる程度に具体的なものであること。この目標や成果物をProjectSprintではマイルストーンと呼んでいます。

ここでとくに「プロダクト開発」に着目してみると、「プロダクトがベータ版でも一般公開できる形になっていて、ターゲットユーザーに告知できるようになって」いたいので、「サービスのベータ版」を制作したい、という方針が明確にわかると思います。

こういったゴールは、メンバー全員で作りきりたいですが、それがむつかしい場合は、

・プロジェクトの背景(関連する事業計画など)
・プロジェクトで取り組む事業に関する予備知識
・予算や期限といった制約事項

といったプロジェクトを取り巻く基本的な情報について、理解が深い人がたたき台を作ったうえで、チーム全体で検討・調整をかけていく方法や、「ゴールをつくる」そのものをゴールとする事前プロジェクトを立ち上げ、集中的に検討する方法などもあります。

事前プロジェクトについては、Project Sprintでは以下のように説明しています。

ゴールを作れないときは、「ゴールをつくること」そのものをゴールとする事前プロジェクトを立ち上げ、集中的に検討することがあります。このときは、プロジェクトを取り巻く基本情報(プロジェクトの背景・事業に関する予備知識・制約事項)の収集をマイルストーンとし、ゴールを明文化することを目指します。明文化されたゴールをもとに、本来のプロジェクトのマイルストーンを設定します。

ゴールに至るまでに達成したい具体的な目標=マイルストーンを設定しよう

プロジェクト全体のゴールと成果物を設定できたら、次はゴールに至るまでに順に達成したい具体的な目標=マイルストーンを決めていきます。

プロダクト開発をまた例にしますと、「2020年10月末までにプロダクトのプロトタイプをある程度改善した状態まで仕上げる」と仮定したうえで、それぞれに成果物と期限を設定していきます。

4_プロダクト開発トラック全体像

できるだけゴールから逆算し、まずはゴールに至るために順に達成したい状態を考えていきます。

たとえば、「β版のプロダクトを一般の人向けに出すには、最後に改善する時間もとりたいし、プロトタイピングするためにはそもそも企画が必要だな、そして企画を作成するためにはリサーチをしなければならない…ふむふむ」といった形で、手順や、作業をする前に得ていたい情報や成果物、それを達成するために必要な期日を定めていきます。
一人で考えるのがむつかしければ、ワークショップを開いたり、会議のなかでメンバー全員で定める場合もあります。

逆算して考えているうちに、当初さまざまな条件で得たスケジュールが「現実的ではない」と気づく場合もあると思います。その場合はプロジェクトの期間そもそもの見直しが必要になったりします。

そして順に達成したい状態が決まりましたら、さらにフェーズごとに成果物や目標、あるべき姿=マイルストーン達成時になっていたい状態、などを記載していきます。

例)プロダクト開発>プロトタイピング

6_プロとタイピング

例)プロダクト開発>サービス企画

7_サービス企画

具体的な成果物をイメージしよう

成果物には「プロジェクトのゴール」に直接的に紐づくものと、そこに至るために、プロジェクト内の役割別に作られたチーム(このチームを、SuperGoodMeetingsではトラックと呼んでいます)が積み上げていくものと2種類あります。

プロジェクトのゴールに直接紐づく成果物
これは最終的なゴールに至るために必要となる成果物です。

2_プロジェクトのゴールに紐づく成果物

チーム(トラック)が積み上げていく成果物
これは最終的なゴールに至る途中の意思決定や進行に必要となる成果物です。

例)プロダクト開発トラック>リサーチ期間の成果物

5_トラックに紐づく成果物

例にあるように「リサーチ結果資料」が成果物になる場合もありますし、会議やワークショップなどで出された意見や方針が成果物になる場合もあります。成果物は必ずしも「プロダクト」に限りません。「達成したい状態」によって導き出される成果物は変わります。

また万が一、成果物などマイルストーンが言語化できないときは、ゴール自体の検討へ立ち戻ったり、プロジェクト全体を統括しているチームでゴール検討のフェーズを作るのもひとつの方法です。

成果物を「ゴールを明記したドキュメント」と設定し、チームで検討します。

マイルストーンもゴールも変わっていくものとして捉える

マイルストーンやゴールは変えてはならないものではないことを意識しておいてください。プロジェクトを取り巻く環境の変化や実際にタスクをこなしていくなかでわかってきたことを踏まえて、マイルストーンやゴールはプロジェクト中にいつでも変更が可能です。
(Project Sprint.org > Tutorial >プロジェクトのゴールとマイルストーンを設定する

Project Sprintは不確実性の高いプロジェクトを前提にしています。

つまりプロジェクトを進めていれば、新たな情報を得たり、状況は変化する。そうなればゴールやマイルストーンは自ずと変化を要請してきますし、その変化がある前提で進もう、ということです。

最初の決定事項が絶対ではなく、進めているうちに「やってみたら思っていたのと違った」と感じる瞬間はたくさんあるので、プロジェクトに参加しているメンバーはそういう点に気づいたらどんどん共有するようにしましょう。

プロジェクトリーダーもメンバーに、変化の兆しについて積極的に共有するよう、あらかじめ伝えておくとよいかもしれません。変化の兆しをプロジェクトリーダーだけが観察し、発見しなければならないのは大変ですし、見落としてしまうこともありますよね。プロジェクトにかかわる全員で、気づいた不具合や変化を共有していると、プロジェクト内の議論も活発になるように思います。

また、あらかじめ見直すタイミングを作っておくのも一つの方法です。
プロジェクトのゴールの見直しが発生しやすいタイミングは以下にまとまっています。もしよろしければ、参考にしてください。

終わりに。ゴールとマイルストーンはプロジェクトメンバー全員が見られる状態にしておこう

設定したゴールとマイルストーンは、いつでもチームメンバーが参照できる状態にしておきます。
こうすることで、チームメンバーがプロジェクト中にタスクを行う際 / メンバー間で議論を行う際に、マイルストーンやその先のプロジェクトのゴールとずれていないか、すぐに確認することができるようになります。
(Project Sprint.org > Tutorial >プロジェクトのゴールとマイルストーンを設定する

プロジェクトに関する情報はプロジェクトメンバーに可能な限りオープンにしておきましょう。
プロジェクトを進行するなかでゴールを参照したい瞬間はたくさんあります。また、メンバー間の情報格差や、認識のずれが発生しづらい状況になっているように思います。

ご質問などあればお気軽にコミュニティ(無料)にご参加ください!

プロジェクト推進メソッド Project Sprintやミーティング活用クラウドサービス SuperGoodMeetingsについて、質問や情報交換ができるユーザーコミュニティをSlackにて運営しています。

メソッドやサービスの最新情報のキャッチアップや、使い方・不明点に関するご相談、開発メンバーとのコミュニケーションなど、ぜひお気軽にご活用ください!


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