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火星上で生命が一番存在しそうな場所が科学的に判明!?

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。


今回は「火星上で生命が最もいそうな場所が判明!?」というテーマで動画をお送りしていきます。


アメリカのラトガーズ大学ニューブランズウィック校の研究チームが発表した、かつての火星のどこに液体の水が存在し、そして生命がどこに存在しやすかったのかという疑問に対する手掛かりとなる最新の研究成果を紹介します!

初期火星にあった液体の海

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火星にはこれまでにいくつもの探査機が送られ、その性質が詳しく調査されていますが、これまでの所現在の火星の表面に生命が存在している証拠は一つも発見されていません。

そして火星表面に存在している水分子も低温のために凍り付き、解けない氷として存在しています。

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例えば火星の極地に存在する白く覆われた「極冠」という構造は、水や二酸化炭素の氷から成っています。

ですが火星にはかつて水が流れていた川や、大量の水が溜まっていた湖など、大昔に液体の水が存在していたことを示すいわば「生命の痕跡」が、実際にいくつも見つかっています

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Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/JHU-APL/ESA

例えば来年2021年2月18日に火星に到着予定の探査機パーセベランスの目的地である直径45㎞にもなる巨大な「ジェゼロ・クレーター」の左には川のような地形があり、三角州のような地形もあるのが見て取れます。

このことから、今から35億年以上も前にこのジェゼロクレーターに外部から水が流入し、湖ができていた可能性が指摘されているんですね!

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Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

湖となっていた頃のジェゼロクレーターは、生命が存在できる環境であった可能性があります。

もし当時に生命が存在していたとしたらその痕跡が残っている可能性もあるために、探査機の目的地がこのクレーターに選ばれました。

このようにもしかすると火星は何十億年も前の太陽系が誕生したばかりの頃には、何億年間にも渡って現在の地球のように液体の水の海で覆われていて、そこには生命もたくさん存在していたのかもしれません!

火星の熱問題

ですが太陽系の初期の頃に火星表面に豊富な液体の水が存在していたとする説には、一つ大きな問題があります。

それは、当時の火星がなぜ水が液体でいられるほど暖かかったのかという問題です。

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実は太陽系が誕生した46億年前からの10億年間ほどは、太陽の放つエネルギーは現在の70%程度でしかなかったそうです。

火星はただでさえ地球の1.5倍太陽から離れているために地球の43%程度しかエネルギーが届かないので、太陽が今の70%しかエネルギーを放っていなかった初期の太陽系の火星は非常に弱いエネルギーしか享受できなかったはずです。

そのため火星が太陽から受けるエネルギーが弱い中で、火星の大気の影響だけで液体の水が存在できるほどの十分な温度が維持されていたことを説明するのは非常に難しいんですね。

地熱がカギ!?

火星の熱不足問題を解決するため、アメリカのラトガーズ大学ニューブランズウィック校の研究チームは、火星の内部から発生する地熱に注目しました。

地球上でも、地球が太陽からの放射で受けるエネルギーの2500分の1程度のエネルギーに相当する地熱が発生していることが知られています。

そして地熱のエネルギー全体のうち45-85%という非常に大きな割合が、地球の内部深くにあるウランなどの天然の放射性元素が崩壊する際に発生する熱が由来だそうです。

研究チームは様々な火星のデータを用いて、このような地球で起こっているような地熱の影響がかつての火星でも起こっていたのかを調べました。

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その結果研究チームは、火星表面に地熱に加えて隕石衝突や火山活動などによって追加の熱が加わる可能性も考慮すると、かつての火星の表面のどこででも、液体の水が存在することができた可能性が示されたと発表しています!

ですが火星は歴史のかなり早い段階で磁場を失ってしまったため、大気が太陽風の影響を直接受けついには大気自体が宇宙空間に飛ばされてしまうので、大気のおかげで長期にわたって温暖な気候が維持された可能性は低いそうです。

そのため研究チームによると、液体の水が安定的に存在できていたのは地熱の影響が火星表面よりも大きい、火星の地下のある程度深い場所に限られていた可能性があるんだそうです。

生命が最も存在しそうな場所は?

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もしもこの仮説が正しければ、火星の生命は地表よりも、最初から地下深い所に存在していた可能性が高まります。

当初は表面に生息していた生命も、液体の水を求めて進化の過程で地下深い場所へと生息地を移したかもしれません。

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Credit:Lauro et al., Nature Astronomy(2020)

これまでに2018年には火星の南極の地下1.5㎞の深さの地点に幅20㎞にもなる巨大な湖が、そして今年の10月には新たに南極の地下に3つの湖が現存していることが示されています!

現在は昔の火星ほど地熱は豊富ではないと考えられますが、火星の地下の海には塩分が豊富にあるために、そのような非常に低い温度下でも液体の状態を維持できていると考えられています。

そして地下深い所が最も火星上の生命にとって生息しやすい場所であるという今回の新説は、火星の表面ではなく南極の地下深くに水が存在しているという現状の探査結果ともマッチすることになるんですね。

なので、一層火星の地下にある湖に生命が存在している期待が高まりそうです。

今後の研究で生命の存在が確かめられることに期待しましょう!

情報参照元:https://www.sciencealert.com/the-best-place-for-life-on-mars-was-far-below-the-surface-study-finds



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