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私は窓が好きだ。

窓はいい。

外が見える。

家に付いてると嬉しいものの一つだ。

外が明るければ部屋も明るくなるし、天気も分かる。すごい。開ければ風も取り込める。照明でありウェザーニュースであり、エアコンでもある。

多機能だ。

外からも見られているのでデメリットと思う人もいるかもしれないが、正々堂々、ノーガードっていう感じがするので、逆にその点も自信を持っていいと思っている。

まったく、気持ちのいい青年である。

多機能だし。

しかし、待って欲しい。

ここまで書いてみてふと思ったことがある。

俺が好きなのは「窓」ではなく、「ガラス」なのでは?と。

仮に窓が本当に窓だけだとしたら、それはもうただの「壁の穴」ではないか。

虫は入ってくるし雨も吹き込んでくるだろう。きっと、強盗の侵入経路としても活躍してしまう。

そんな多機能はいらないので、やっぱりそこにはガラスが要る。

「新幹線は窓際がいいなー」

「見ろこの景色。オーシャンビューだぞ」

などと、「窓」が持て囃されているこの社会。

全てガラスありきであることに気付かずに、守られている意識もなしに、一般ピーポー達は悦に浸っている。

そんな現状に文句の一つも言わず、ガラスは静かに仕事をこなしている。

ありがとうガラス。

君はたまにヤケになって人を傷つけてしまうけど、そりゃストレスのひとつも溜まるよね。

全部僕のせい。

今まで気付かなくてゴメンな。

これからはちゃんと

「新幹線はガラスのハマってる窓際がいいなー。ガラスハマってるから。安心だし」

「見ろこのガラス越しの景色。ガラス越しのオーシャンビューだぞ!ガラスがあるから、安全にビューできるな!」

って、言うからね。



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