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「やえがしの家」で暮らした日々の話

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「ガールズトークアパートメント2020」
無事、終演しました。
まだまだ二週間は気は抜けませんが、ひとまず、全公演無事に全員で終えることができて嬉しい限りです。あんなに当たり前だったことが、こんなに奇跡のように嬉しいことになる時代が来るなんて。
ご来場の皆さま、心からありがとうございました。

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この作品はとある女性限定(多分)シェアハウス「やえがしの家」の、2020年の春夏秋冬を描いた物語。
天変地異としか言いようがなかった2020年、それぞれいろんなことで焦ったり困ったり助けあったりふざけあったり笑いあったりするお話。


演劇人にとっても2020年は忘れられない、困惑と不安と助け合いの一年だった。
その中で私がリアルに一番強く感じていたのは「たった数ヶ月後、一年後が全く見えない、読めない」という不安で、ちょうど去年の今頃も、来年も演劇なかなかできないんだろうなあなんて思っていた。
結果、世界はまだまだ劇的によくなったなんてことはない。今も大変な思いや決断をしている人々がものすごくたくさんいる。

でもこうしてできうる対策をどんどん編み出して、配信だけでなく生で観劇してもらえるようになっただけでも、トッコさんの言う通り「一歩進みました」ってことなんだと思う。一歩どころじゃないかも。
毎日感染症対策を徹底してくださったスタッフさん、ご協力くださったお客様に感謝です。


祖師枝胡桃という役に関して、
普段はどっちかっていうと、素でボケたりヘタレだったり暗かったり場をややこしくする役が多かったりするので、男前でツッコミで場を回してゆくというポジションはすごく新鮮だった。
高校の友達に、近い子がいた。
クリエイティブでしっかり者でなんかいつも若干じりじりしてて男前で友達思いで、例えトラックにはねられても0.001秒でガバっと起き上がって「痛えじゃねえか!!!」って血まみれで追いかけそうなゴリラみがありつつもなんか時々乙女、みたいな。
その子のこと思い出しながら演じたかもしれない。
(読んでるかも。ありがとう。読んでないだろうけど。)

もっとこういう役も上手になりたいな。その場面の安定感を担うような。
とても勉強になりました。

この2021年に、2020年の一年間をコメディで描くって本当にすごいことだ。だって普通に考えたら地続きの今、2020年のことまだ全然笑えないもん。なのにすごく楽しかったし、心から笑えた。本当にすごい作品に出演できてうれしい。

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「あいつら(コロナ)そのうち私たちに飽きてどっかいっちゃうわよ。そしたらどうするの?何を言い訳にするの?」

「目に見えないものに責任なすりつけてありがたがってるなんて時代遅れのこんこんちきよ、アーユーチキンガール?」

という、(旧)やえがしさんのセリフが一番好き。
マジかっこよかった。
そうなのだ、私たちは未来を暗く見ちゃいけないし、開き直ったり諦めるのもダメだし、だからって期待しすぎるんじゃなくて、ちゃんと時の流れにそって進んで行かなければならないのだ。

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例えば次のガールズトークアパートメントが上演される2025年に、
2020verを見た時、本気で「こんなことあったよねえ、懐かしいねえ」って意味で笑えたら幸せだな。って思いました。

改めて頼もしいスタッフの皆さま、愛おしいキャストの皆さま、パワフルな宇田川さんと松本さん、劇場で、配信で、観てくださったみなさま。本当にありがとうございました!

祖師枝胡桃役 今川宇宙

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