うちの鬼嫁ハンパねぇ
うちの鬼嫁はハンパない。
まずは簡単に自己紹介からさせて頂く。
私、「ムコどの」は33歳、年収約1,000万円、都内在住の会社員。
うちの鬼嫁(エリカ:エリちゃん)は32歳、
女子高女子大育ちの箱入り娘、
ブランド大好きおしゃれさん、超絶内弁慶、
究極の甘えん坊(赤ちゃんレベル)。
ワガママという言葉をその身で体現している
リスペクタブルでファンタジックな存在である。
私が体験する日々の出来事をお伝えしていくことで、
あなたの中に「愛とは何か」
というテーゼを考える機会を与え、
そのほか、絶望、失望、自由、希望、夢、
足元をご覧になるときっと転がっている
大切なものたちに気づく機会が訪れることを切に願う。
うちの鬼嫁はハンパない。
金遣いもハンパない。
しがないサラリーマンの私からは
ハンパなく容赦のないハンパない搾取が行われている。
どれくらいハンパないかと言うと、
私の月収60万円は毎月必ず消失する。
漫画ブリーチの日番谷隊長はこう言う。
氷の華が散り尽くして漸く(ようやく)――大紅蓮氷輪丸は完成する。
( BLEACH 73巻より)
しかし、私の毎月の収入は散り尽くしても何も完成しない。
散り尽くすだけである。
「えりちゃん、今月もたくさん使ったね❤️」
などと申し上げてはいるが、
何も残っていない。
そして、うちの鬼嫁は
超絶な内弁慶で究極の甘えん坊。
内弁慶であるがゆえに、家庭内では
旦那である私への態度は山よりもでかく
その愛は谷よりも深い。
己の要求を発言する際は覇気を身に纏うこともある。
「なんでそんなに偉そうなの??」
「偉いから」
これが週3回取り交す会話のルーティン。
彼女はブレない。
外では決して見せることのない驚くほど強硬な姿勢は尊敬に値する。
それは部長級。
50台前半の購買部長並みの圧力を内包している。
我が家では基本的にお風呂は一緒に入る規則となっている。規則、決まり、ルール。習慣ではない。
尚、お風呂に入るところから一緒なのではない。
ソファーからお風呂に移動するところからが
"一緒にお風呂に入る"という所業となっている。
もちろん、この時点で私だけが先に移動をすると、
「あ。」という一言で強力な制止を掛けてくる。
彼女は熟知している。
「あ。」
たったその一言で、
私がこの後の展開を迅速に想像して、
「連れて行かないと確実に面倒なことになる」
という恐怖を回顧する人間の記憶のメカニズムを最大限に活用している。
ハンターハンターで初めてネフェルピトーに遭遇した時の衝撃を想像していただけると有り難い。
(HUNTER x HUNTER 19巻より)
当然、お風呂から上がる時も基本的には一緒でなければならない。
ただし、暑さには弱い流石の私もお風呂に長時間居ることは我慢ならず
唯一風呂から"出る時"だけは自分の身を優先している。
「一緒!!!!」
という声をかき消して風呂のドアを閉め、
風呂で失った水分を補充するために冷え冷えのミネラルウォーターをグビグビ飲むのが至福の時である。
それも束の間。
ピピピピピっ
ピピピピピっ
ピピピピピっ
お風呂で呼んでいます!!!
押される風呂場の"呼出ボタン"。
通常、夫婦2人で生活していれば使うことがないはずのボタン。
そもそもメーカーであるRINNAIもこのボタンがこのような使われ方をするのは想定していなかったはずである。
これが私の日常のごく一部だ。
だが、私は嫁を愛している。
うちの鬼嫁ハンパねえ
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