『スティング』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜77本目〜
この映画は、大物マフィアに仲間を殺されたある若い詐欺師が、その復讐のために伝説の詐欺師と手を組み、その大物マフィアを華麗に騙して大金を手に入れる、という物語である。
主演は『明日に向かって撃て』でおなじみのゴールデンコンビ、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード。そして、監督も『明日に向かって撃て』で監督を務めたジョージ・ロイ・ヒル。このメンツで面白くならない訳がない。
77本目 : 『スティング』(1973)
『スティング』(1973)
脚本 : デヴィッド・S・ウォード /
監督 : ジョージ・ロイ・ヒル
「The Sting! (とどめの一撃)」
本作の魅力
この映画、何と言っても音楽が最高に良い。オープニングから観客の耳を楽しませてくれること間違いなしだ。この映画を見終わると、しばらく「エンターテイナー」の曲が耳から離れないだろう。
そしてこの映画の中で度々登場するおしゃれなイラストにも注目だ。それは、タイトル画面のイラストから始まる。
The Players「プレイヤーたち」、
The Set-up「仕掛け」、
The Hook「引っ掛け」、
The Tale「作り話」、
The Wire「電信屋」、
The Shut Out「締め出し」、
そして最後の章はタイトルでもある
The Sting「とどめの一撃」。
それぞれのイラストがいちいちおしゃれでたまらない。このイラストを挟むことで観客も頭の中を整理しやすくなり、話についていけるようになるのかもしれない。なんとも粋な演出である。色遣いもすごく好きだ。
ヘンリー・ゴンドーフ(ポール・ニューマン)が巧妙に仕掛けた「The Sting」は観客をも巻き込む。映画が終わる頃には大勢の人たちが騙された!と頭を抱えてしまうことだろう。恥ずかしながら、私もその1人である。
ポーカーで相手を引っ掛け、競馬で釣り上げるという緻密に練られた彼の仕掛けには驚かされるばかりだった。「ポーカーをやる人間は競馬もやる」この一言でこの作戦が決まったのだ (笑)。
ポーカーと競馬は賭博の中でも違法ではなく合法なものが多いからなのだろうか。これは多くの人を賭博で騙してきたゴンドーフだからこそわかった経験則なのだろう。
私の1番好きな場面
私の1番好きな場面は、ゴンドーフが昔の仕事仲間を集めるシーンである。あの鼻を触って「新しい仕事を始めるぞ」というサインには惚れ惚れした。最高にワクワクさせてくれる名場面である。この映画を見終わった頃には、ポール・ニューマンに惚れている人たちがたくさん増えているはずだ。
また、フッカー(ロバート・レッドフォード)とスナイダー刑事の追いかけっこのシーンも楽しかった。このシーンを観て、すぐにルパン3世と銭形の追いかけっこのシーンに似ているなと感じ、この映画が後世に及ぼした影響は計り知れないかもしれないなと改めて思った。
最後に
『明日に向かって撃て』よりも『THE STING』が好きな人も多いのではないか。私は『明日に向かって撃て』のほうが好きなのだが、友達におすすめするなら断然『THE STING』である。なぜなら、『THE STING』のほうが明らかに話がわかりやすいからだ。
冒頭から始まる音楽も楽しいし、詐欺師たちも観ていてワクワクする。つまり、この映画は全体的に楽しく、観ている方もついつい明るくなってしまう作品なのである。最近元気がないなと思う人には是非おすすめだ。
この映画は、クライム映画には珍しくハッピーエンドで終わったので、エンターテイナーの曲が本当によく似合う作品だったんだなとつくづく思わされた。
予告編
↓映画『スティング』の予告編です↓
(出典 : 【YouTube】Movieclips Classic Trailers 「The Sting Official Trailer # 1 -Paul Newman,Robert Redford Movie (1973) HD」)