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地域とコミュニケーションする旅

コロナが気づかせてくれたこと。

少し不謹慎な考え方かもしれないが、新型コロナウィルスはマスクをしたり、消毒の徹底など新しい生活様式だけでなく、本当に大切なことも気づかせてくれるきっかけになったのではないかと思う。zoomを使っての会議や打ち合わせは、実際に会って行うことは最小限でいいということを誰もが理解できたと思う。一方で、全員の座席は必要ないけど、仲間が集まれる焚き火のような、心と心を通わせる場所と時間が必要だということもわかった。そして、旅の意味やプロセスについても見直すきっかけになったのではないか。


遠くより近く

これまでの日本の旅行は「一泊二日二食付き」の売り方。
そして旅行のスタイルも目的地である宿に着けば、あとは宿の晩御飯、宿のお風呂、そして宿の朝ごはんを食べてまたおこしやすである。だから、より遠くに行くほど旅の感じが深まるし、より遠くにいくことがより旅らしい。一方で、コロナ禍のなかでは海外に当面行けないし、あるいは行けるようになってもなかなかリスクが高いと感じる人が多く、星野さんもいう通り近郊の旅、日帰り旅行など足元消費から回復するのではないだろうか。つまり、より遠くの宿に行くことが目的でなく、近くの場所をより楽しむ旅である。


準備しながら移動する旅

こうしたなか僕たちが提案したいのは「準備しながら移動する旅」だ。目的地はもちろんその日宿泊する宿だけど、途中のお店を巡りながら宿で楽しむものを少しづつ調達する地域とコミュニケーションしながら広がる旅だ。
途中のワイナリーによって都内で扱いの少ないワインを買う。
朝ごはん用に天然酵母の焼きたてパンを買う。
地元の農家がの青空市で新鮮な野菜を買う。
必要なもの、そこでしかえないものを少しづつ買いながら、準備しながら移動する。


点と線と面

もちろんこうした旅のスタイルは決して新しいものではない。観光地や名所を巡りながら宿に向かうのは元々の旅のスタイルだ。ところが、新幹線や高速道路が便利になり、さらには予約サイトが充実しておかげで、宿と電車のチケットが一度に入手でき、宿もそうしたお客に合わせたサービスになり、そこ(点)に向かえばなんでもあるという状況になってしまった。そしてコロナ騒動。遠くに行けなかったり海外に行けない中で、その地域(面)やそこに向かう過程(線)を楽しむ、そんな地域の人やこと、ものとコミュニケーションする旅を考えたい。



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