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ハゼノキの里山記録② ハゼノキを植樹しよう!

こんにちは!いよいよ春の新録が美しい季節になってきましたね。ハゼノキも開花時期が終わり、実をつける準備をはじめるとともに、新緑の美しい季節になってきました。ハゼノキは新緑の中に1枚だけ赤い葉っぱが混じったりします。緑の中に赤が映えてともてきれです!さて、今月はそんなハゼノキの育成に関して書いています。先週の記事はこちら!

前回はハゼノキを「植える場所」に関して書いてみました。雑木に分類されるだけあって、基本的にはどこでも育てられる木ではありますが、実の収穫や成長性を鑑みるとはやり、最初の場所選びはとても重要になってきます。今週は場所を選んだ後、実際にどのようにして植樹していくか?です!


■ハゼノキの植え方と注意点

今回の説明は「接ぎ木苗」の植樹方法です。また、今回は文字では説明がわかりづらいと思いますので、写真と図を中心の説明です。

1,植樹時期と下準備
植樹時期は「新芽が開く少し前」までに完了する必要があるので、おおむね3月末までには完了している必要があります。私たちは3月3週目を目安に植樹を完了させています。
植樹前にもう1つ下準備があります。これは全ての苗にでする必要がないのですが、成長を早める方法として、事前に苗を短く剪定しておくという方法がありますが、そのままでも問題ありません。

2,実際に植樹してみる
準備が整ったら次は実際に苗を植樹していきます。苗木の根っこがすべて地中に埋まるように穴を掘ります。おおよそ直系50㎝、深さが30~50㎝くらい掘るとおおきな苗でも全体が入ります。

①植樹用の穴を掘ります

次に苗を掘った穴に埋め戻します。ここでの注意点は根っこが完全に埋まるようにすること。そして、埋め戻す穴に落ち葉が入らないように注意します。ハゼノキの幼木の根っこはまだ弱いため落ち葉の分解・発酵に直接触れると根が負けて枯れる場合があるで、土だけを戻すようにします。

②苗を掘った穴に入れて埋め戻します

埋め戻しは盛り土になるようにします。次に盛り土を軽く踏み固めながら、苗を上に軽く引っ張ります。この時苗がグラグラしたり、引っ張っても抜けないぐらいに固めておきます。

③苗を踏み固めて

苗が固定出来たら、水をたっぷり上げてください。翌日の天気がしっかりと雨が降る場合は水は必要ないですが、小雨程度の場合は水はしっかりとあげるようにして下さい。

目印をつけて完了

3,すぐに植えられない場合の対応方法
植樹に大事なのはスピードです。特に苗を購入してきた場合、根が土から離れている期間をあまり開けないようにするのが鉄則です。そのため、すぐに植樹ができない場合、ハゼノキの苗を「仮植」しておきます。こうすることで根っこが乾燥を防ぎながらついでに育てることもできます。ちなみに仮植した苗は1年以上仮植にしておき、翌年植樹することもできます。仮植えの状態でもしっかりと育ちます。

植えるまで時間がある場合は仮植します

■木と木の間隔の取り方

植樹する際にもう1つ重要になってくるのが、苗の植え付けピッチです。ハゼノキは10mを超えるような高さに成長するので、ただ高く育てる場合はあまり気にしなくて良いのですが、実際に実を収穫する場合は樹冠を横に広げる必要があるため、ある程度ピッチを確保する必要があります。推奨されるピッチは5m間隔です。

ハゼノキの植樹ピッチ

実はハゼノキの里山では3mピッチで植樹しています。5mピッチで植えた場合は高さ5mぐらいの収穫しやすいハゼノキに仕立てることができます。実際収穫量を考えてもこのくらいがちょうど良いのですが、ハゼノキの里山はもっと低く剪定する予定のため、あえて短いピッチで植樹しています。


■植えた直後の注意点

1,台木から萌芽
接ぎ木をする苗木の場合にはすべて同じような問題が出てくると思いますが、ハゼノキも台木から萌芽することがあります。この場合、写真〇のように埋めた台木部分から新芽がでてくることもあります。こういった台木からの新芽はすぐに落とすようにしてください。そのままにしておくと、台木側が育ってしましい、接いだ穂が枯れてしまうこともあります。こうなると品種苗からただのヤマハゼになってしまうので特に4月中はこまめに台木からの萌芽に注意してください。

台木からの萌芽に注意!

2,枯れた…と思ってもちょっと待ってください!
ハゼノキの植樹後は、苗が幼木という事もあり、突然枯れてしまったり、うまく活着しないこともあります。そうなるとすぐに抜いてしまったり、刈り取ったりしてしまいそうになりますが、ちょっと待ってください!実は先ほどの台木からの萌芽や下の方の芽が生きている場合があり、上だけが枯れていることもあります。

このパターンは結構ありましたので、とりあえず2か月くらいは様子を見るようにしてください。梅雨時期までに新芽が出てこない場合はほぼ間違いなく枯れてしまっているので、そこまでは諦めずに見守ってください!

枯れた?と思ったら下をチェック!

という事で、今週はハゼノキを実際の植えるときの解説をしてみました。実際にやってみると新しい発見がいっぱいあり、とても楽しかったりします。さて、来週は植樹が完了した後のお手入れや管理に関して書いてみようと思います!

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