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ハゼノキの里山記録① ハゼノキを育てる場所を選ぼう!

みなさんこんにちは!今月は約2年半ぶりとなりハゼノキの育成に関してのお話になります!これまでの「ハゼノキ育成記録③」までは東京で育てていたハゼノキの「実生」からの成長記録でした。ちょうど鹿児島に引っ越す直前までの記録です。そんな前回のお話はこちらです!

さて、4月は薩摩藩とハゼノキに関して、4回にわたってお話してきましたが、今月はハゼノキの育成に関して書いていこうかなと思います。まだまだハゼノキを植樹して3年目ということもあり、植樹の初期段階ということになりますが、私なりの失敗談なども交えながらお話できればと思います。


■かなり重要!!場所選び

ハゼノキを植樹するうえで最初にして最も重要なのが、「植える場所」です。ハゼノキを植える場合、多くの場合、耕作放棄地や、私たちと同じように未利用の山林や原野への植樹を検討されると思います。ここで間違えると、せっかくのハゼノキが早期に枯れてしまったりします。

【ハゼノキに最適な4大条件】
1,日当たりが良い
2,水はけが良い
3,冬季に根雪にならない土地
4,平坦な土地

1,日当たりが良い
ほぼすべての樹木に言えることかもしれませんが、日当たりは重要です。ただし、特に西日があたる時間が長すぎると、幼木のころは葉っぱの変色や葉っぱ自体が閉じてしまうこともあり、かえって成長を阻害してしまうこともあるようです。理想は日出~17時くらいの6~8時間ほど日射が当たる場所が良いようです。木が成長しきると西日に関してはほぼ考慮しなくてよくなるようです。

紅葉するまでずっと葉が半分閉じてました

「2,水はけが良い」
こちらは特にハゼノキや同属の漆を植樹した際に、一番枯れてしまう原因にもなっており、最も注意しなければならない点です。ただし、水はけのよい土地にも写真の左のような、掘っても小石のばかりでるようなのような土地は根が活着しにくいため水はけが良くても避けたほうが良い場所です。山林や原野を使う場合は、右側の粘土質の土地も避けるべき土地です。

【避けたほうが良い場所の例】左:小石混じり 右:粘土質

■水はけの基準

最も重要な「水はけ」に関して、補足しておきます。こちら場所選びにも関わってくるのですが、最も避けるべき場所が「田んぼ」です。特に最近まで田んぼとして使われてき土地や、レンコン畑のような湿地も避けたほうが良いといえます。田んぼに植える場合は昔通りの植え方ですが、畔を使って植えるのが良いです。

さて、田んぼや湿地は場所的にわかりやすく避けることができるのですが、山林や原野などの場合、どのように考えればよいのか?あくまで1つの基準として私が使っている方法ですが、通常ハゼノキを植樹するために掘るくらいの穴をあけ、そこに満タンになるまで水を入れて、吸水時間を待ちます。
◎5分以内に吸水
〇10分程度え吸水
△20分程度で吸水
×30分以上かかる

水はけを見るための実験に使う穴

ざっくりこんな感じで植樹する場所を決めています。◎でかいた5分以内の吸水する場所も、穴の下が小石だらけになっていないか、もう20㎝程掘って確認すると間違いないです。

■気温条件と雪の条件

ハゼノキは元々南方系の植物のため、温暖な土地を好みます。そのため寒い土地では育ちづらいのは事実です。ただし、寒い地域が絶対にダメというわけではありません。ハゼノキの里山の標高は200m、私の住んでいる場所は標高300mありあます。根雪になることはありませんが、年間数日は雪が積もりますが、しっかりとハゼノキは育っています。また、冬季の平均気温が0度を下回らないことも重要だと考えています。

雪が積もるハゼノキの里山(2024年1月24日)

また、古い資料を紐解くと、海岸性に近かったとはいえ鳥取や島根でもハゼノキは育成していたようですので、気温条件に加えて「根雪にならない」という事が一つの基準になりそうです。という事で、このあたりがハゼノキを育てるうえでの最低条件となってきます。もちろん寒い土地の場合、それに伴って日射量や気温が低いため、成長は遅くなってしまいます。

■平坦地か傾斜地か?

本日最後は、植樹する土地の傾斜に関してです。皆さんが普段をハゼノキを見つける場所ってどんなところか思い浮かぶでしょうか?実際に自生しているハゼノキを見るのは、ほどんど傾斜地にあることが多くないでしょうか?これは水はけと、日当たりに関係してきますが、南向きの傾斜地はハゼノキが非常に育ちやすいです。という事は傾斜地の方が良い?と思われますが、実際には平坦地をお勧めします。

水俣市のハゼノキ畑

これは単純に収穫の問題になるので将来的な問題ですが、ハゼノキは「落葉高木樹」のため、ほおっておくと10m以上になります。これが傾斜地ですと、見かけの高さはさらに上がってしまい、上段は完全にハゼノキが取れない状況になってしまいます。平坦地に植えるとこの問題はある程度解決できます。ちなみにどうしても傾斜地という場面も出てきますが、その場合あいまいな目安ではありますが、「踏ん張らなくても立てる傾斜地」を1つの基準にすると良いと思います。

傾斜地のハゼノキ。8m梯子でも届かない…

という事で、本日は植樹場所の条件面について書いてみました。すべての条件が合わない場合がありますでの、1つの目安として検討いただければと思います。もし、判断に迷う場合はぜひ私たちにご相談ください!

来週は、実際の「植え方」に関してです!ぜひお楽しみに!!

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