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【雑談】ハゼノキや和蝋燭に関するおすすめの書籍

みなさんこにちは。いよいよ梅雨本番になり大隅半島は連日線状降水帯か?というような雨が断続的に続いています。皆さんも突然の豪雨や土砂災害には十分お気を付けください。さて先週はハゼノキと漆。2つの木蝋とそれを製蝋するための2つの製蝋機に関してでした。「道具」に関してはこれまであまりお話する機会がなかったのですが、いつもと違う切り口からハゼノキを見てみるのも面白いですね。そんな先週の記事はこちら!

4月から毎週金曜日に更新しているこのnoteですが、今日で3ヶ月目が終わります。実は4月の時点で6月までのタイトルと章立てを作っていたのですが、全く計画通りに進んでいません。。。本来の計画ですと今日は「農家益」という江戸時代の農学者大蔵常永の著書に関するお話をする予定でした。実は今月の記事は全部予定になかった記事でした…ということで今日も予定になおすすめ、かつ買うことができるハゼノキや和蝋燭に関する本に関して!


■最初に読んだ1冊

既に調べたことがある方は何となくお気づきかもしれませんが、ハゼノキや和蝋燭に関する書籍は驚くほど少ないです。都市部の大型書店に行ってもほぼおいてなかったりするのですが、そんな中でもおすすめのというより私が初めて読んだ本をご紹介します!それがこちら!!日本ナショナルトラストから出版されている『自然と文化72号 蠟燭』です。韓国・中国の蠟燭の歴史から始まり日本各地の蝋燭やハゼノキに関してのレポートです。

購入したのが6年前。まだ購入できるはずですが…

ハゼノキというよりほぼ蝋燭の話ですが、単純な「蝋燭史」をたどる読み物のとしてもとても面白く読めます。日本国内に関しては20年前の記事ではありますが、今も現役の方もいらっしゃり、近年のハゼノキや和蝋燭をとりまく状況を知ることができます。お会いした事がある方の若かりし頃がみれて少しほほえましくもあります。

私の場合は、この本をきっかけに色々と枝葉を広げnoteの記事含め色々なことを調べ始めました。多分まだ買えるはず!終売していていたらすみません。http://www.national-trust.or.jp/rhlist/book&report/nc1.htm

■ハゼノキの古典を現代語訳で読める書籍

ハゼノキに関する本は戦前は結構出版されていたので、図書館に行けば読めるものも多かったりするのですが、ここでは江戸時代のハゼノキの古典というよりは、育成指南書を紹介します。それが農村漁村文化協会(農文協)から発行されている『日本農業全集』です。読んで字のごとく農業書の全集なのですが、その内の11に『窮民夜光の珠』、31に『農人錦に嚢』、33に『櫨徳分并仕立方年々試書』が収録されています。

古本屋で購入しました。ネットでも買えます

こちらは現代語訳に加えて、簡単な解説書も付属しているので時代背景や全書が出版された当時の状況と併せて理解できるため意外なほど読みやすかったりします。個人的には櫨徳分并仕立方年々試書(はぜとくぶんならびにしたてかたねんねんこころみがき)が最初に読むのがおすすめです。現在も含めてハゼノキの育成に関する非常に貴重な書籍でもあるため、ハゼノキを育てている方や、育てたい!という方は必読の書でもあります。

その時代の影響力を考えるとこれに『農家益』を加えて、私は江戸時代におけるハゼノキの四大名著(と勝手に)呼んでいます!

■一番新しい和ろうそくの本(かつお勧め!)

もっとも新しい(別の書籍があれば教えてください)ハゼノキと和ろうそくに関する本がアリス館より出版されている大西暢夫(おおにしのぼお)さんの『和ろうそくは、つなぐ』です。1本の和ろうそくを通じて、原料であるハゼノキ、ちぎり子、製蝋所、灯芯に和ろうそく職人。さらにそれは藍染や墨づくりなど様々なつながりをもっていて……正直私もこの本を読んで初めて知ったこともあり、こんなにも素晴らしい「つながり」を昔から作っていたことに感動しました。とてもおすすめです!

アリス館から出版されている大西暢夫さん『和ろうそくは、つなぐ』

実は昨年末ようやく大西さんにお会いすることができました。わずか30分程度の撮影のために往復3時間以上かけて現地に駆け付け「ちぎり子」の現場を撮影されていました。現場のお話をしっかりと見て聞いて素敵な作品作りをされています。この本を含んめて大西さんの本はどれもとても良い本が多いのでおすすめです!

『和ろうそくは、つなぐ』に関して大西さんのインタビューがあるので、ご興味あれば!https://book.asahi.com/article/14579565

■こんな本欲しかった!と思った本

さて最後の紹介は、ハゼノキを調べていてすぐに出会った本ですが、こんな本欲しい!と思っていた本です。それが松山櫨復活委員会から発行されている矢野眞由美さんの『櫨の道』です。素材としてハゼノキをしらべてみると「木蝋の原料」としての説明が良く出てくるのですが、素材として木材も含めた様々な面をまとめている本はあまりありません。そんな時に出会ったのがこちらの『櫨の道』でした。

「蝋燭」の次に購入した本

幻の櫨といわれていた、「松山櫨」の探求から始まり、ハゼノキそのものお話から、蝋、染物、弓、化粧品など様々な商品に使われる素材としてのハゼノキにも着目されているのが特徴です。著者の矢野さんにはクラウドファウンディングのリターン品やワークショップのやり方を教わるなど今でも大変お世話になっています。

ハゼノキの全体像を見るうえでとても良い構成になっていますので、いまから触れてみようという方にはお勧めです!

という事で、今日はハゼノキと和ろうそく関係のおすすめ本の紹介でした!本当は論文やら、図書館でしか読まないような本の紹介もしたかったのですが、文字数が膨大になりそうだったので今日はここまで!つづきは来週?になるかわかりませんが、近いうちに掲載したいと思います!

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