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読書録 藁を手に旅に出よう(荒木博行)

会社の人事部長が、新入社員にキャリアを考えさせるネタとして寓話を使って語りかける話です。
見方を変えて示唆を出すことについての学びやキャリアや人生について考えさせられるきっかけとなる一冊でした。
1つの寓話を紹介したいと思います。


【オオカミ少年】の寓話は、【未来予測】について示唆のある話

(オオカミ少年の概要)
羊番をしていた羊飼いの少年が、いたずら半分でオオカミが来たと嘘をつく。
慌ててオオカミを追い払いに来る村人たちの様子を面白がり、なんどか同じ嘘をつく。
ある時実際にオオカミが来てしまう。
少年はオオカミが来たと知らせるが、村人は誰も信じず、結果羊が全滅してしまうというお話。

■ストーリーは違う立場から見れば必ず新しい示唆がある

一般的には少年の立場から教訓が語られます。

嘘をついたら大事な時に信じてもらえない。

一方で、村人の立場から見たらどんなことが見えてくるか?

村人はオオカミが来る【可能性】ときたときの【インパクト】を低く見積もっていた(または想像できていなかった)。だからこそ、嘘をつくような少年に羊番を任せており、結果的に羊が全滅してしまった。

ここから言える示唆は、

‘’未来の予測がつかない時は、起きる可能性×起きたときのインパクトを考える必要がある。

起きる可能性が低いものは、インパクトもつられて低く見積もりがちなので注意が必要

村人はもっとオオカミが来た時のインパクトを想像して、それに備える必要があったということになります。

立場を変えて物を見るだけで、オオカミ少年が単純に悪いという話ではなくなる。

物の見方って結論まで変えさせるので、なんでも表層だけで示唆を出すのはよくないなと考えさせられました。

また、この寓話から出された新たな示唆について、ビジネスにおいても、可能性だけに目を向けるのではなく、インパクトを分けて冷静に考える必要がある、可能性が低いものや体験していないことは、軽んじられやすいと、著書の中で人事部長は新入社員に伝えています。

例えば未経験のものについて、達成見込みなどを楽観的に捉えたり、逆にかかるロードは過小評価したり、ビジネスの中で身近に起こっていることだなと思います。

■インパクトに目を向けると、「今、何ができるか、備えるべきか」が見えやすくなる

私の中で可能性が低くてもインパクトが大きいものを考えてみました。

①夫の海外転機

・家族帯同したら休職制度がないため、キャリアが途絶える。
・収入も途絶える(夫の稼ぎで、学びや趣味にお金を使うのは気が引ける。少しでも自分の収入ほしい)。
・子どもの転校。

→会社員時代から副収入の種を育てること。インプットやアウトプット。サードプレイスをつくること。

②子供の不登校

・子どもが仮に家にいたら、在宅フル活用してそれで回るのか?子どものケアは大丈夫か?
・仕事にフルコミットできなそう。


他にも親の介護や災害など、あげればキリないですね。

ただ、インパクトが大きいもの、については、できる時、に出来ることをしておくという当たり前のことですが、そのリスクヘッジが大切なのかなと、オオカミ少年の寓話から考えさせられました。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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