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里山の獣害をどうにかするには

今住む里山地域が抱える深刻な課題に「獣害」がある。10年くらい前まではシカやイノシシがたまに山から降りてくるくらいで、ほとんど問題になっていなかった。だが、ここ数年は加速度的に被害が大きくなっている。特に厄介なのがサルだ。やつらは非常に賢く、群れで生活をし、収穫前の作物をピンポイントで狙ってくる。手塩にかけて育てて、いざ明日収穫しようとした野菜が、前の晩から早朝に掛けて、サルにごっそりやられたことが自分たちも何度もある。これは精神的にメチャメチャきつい。我が家で野菜作りを諦めた大きな理由の一つだ。周りで今も野菜を作っている人はとても頑丈な柵で全面囲って、多くの人は柵に電気も流している。それでも被害は収まるところを知らない。

こうなってしまった原因はいくつかある。山からを管理する人が減り、山と集落の合間が荒廃し、山と集落の境があいまいになってしまったこと。たまに降りてきた動物たちを積極的に追い返す人がいないこと。余った野菜を畑のとなりに無造作に捨てている人が多いことなどだ。みんな大事な野菜は柵で守っているが、生育の悪い野菜などは柵の外に普通に廃棄している。これではサルや動物たちにとって里山集落は苦労せず食べ物が取れる楽園なのだ。個体数がどんどん増えて、サルの一番大きな集団は数十頭を超えてしまっている。原因に対策が取れず、野菜を守ることばかりに精一杯になってしまっている。せめて動物の餌にならないよう、廃棄野菜を有効活用できればと思っている。

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