見出し画像

創業者の一族の方々

【親の七光り】

親の社会的地位や名声が高いと、子はそのおかげを受けることが大きいことを指す。

言葉だけ見れば、いい面も悪い面もありそうだと思っていた。

実際に最近になって自分が創業者一族の方と一緒に仕事をするまではそう思っていた。でも実際に間近で経験してみると、創業者一族が会社に存在している場合、いい面よりも悪い面のほうが圧倒的に多い。

一番の弊害は「忖度する風土の蔓延」だ。

創業者一族は莫大な財産を持ち、多くの株式を所有している。そのため、経営者として第一線を退いていても影響力は決してなくならない。しかもその縁者が社内に

いる場合の影響は計り知れない。

「自分が築き上げた会社や財産を子供に残してやりたい」

という親心は同じ親としては理解できる。子供が優秀な場合はいい。血縁に関係なく、能力と実績が他の人より優れていれば経営者として跡を継がせるのは当然だ。

だから多くの創業者は子供を自分の会社には入れずに、一旦他社で経営を学ばせる。

縁のない他社で出世し、実績を上げてこそ、周りからもその能力を認めてもらえるからだ。

では子供が優秀でない場合はどうか。まともな神経の持ち主で自分の会社に関わらせない場合は問題ない。問題になるのは子供可愛さに自分の会社に入社させてしまった場合だ。このとき最悪の事態が起こる。現経営陣にしてみれば、小さな頃から知っている大先輩の子供が会社に入ってくるようなものだ。

暗に「気を使え」と言われて、「気を使うな」というほうが無理だ。優秀な子供ほど

そんな色眼鏡が掛かった会社で働きたいと思わないはずだが、自分の親の会社に最初から入社する時点で自分を低能だと認めているようなものだ。

実際、自分が一緒に仕事をした創業者一族の方は明らかに低能だった。帝王学を学ばされ、1流の大学を出て、勉強はできるのだろうが、世間ずれが甚だしい。

小さい頃から家には家政婦さんがいて家事はしたことがない。コンビニにも行ったことがないらしい。金銭感覚が乏しく、一般常識も通用しないし、流行りにも疎い。こんな人間が政治家以外にも本当にいるのかと驚いた。

そのくせ気位だけは高いから、話もしづらい。社内外に顔が広いことを利用して、社内のルールを捻じ曲げ、裏で政治的な取引がされているもの目にしたこともある。

まったく信用できない。

こんな出来の悪い友人の子供に対して、適切な評価を下せる人間が人事部を含めて、一体どれくらいいるだろうか。こうして社内に忖度やおもねりが自然発生してしまう。

過大な評価がされ、能力に関係なく年月と共にそれなりのポストに出世してしまう。

現経営層さえもそんな人間の意見を尊重するようになる。そして益々増長する。親の七光りを自分の力だと認識しているから始末に負えない。こうなると

「何を言ったかではなく、誰が言ったか」

が何より重要になってしまう。社内では力を持つ人間の意見ばかりが重視されるようになる。

忖度やおもねりの風土が社内に蔓延することになるのだ。

だから、会社にとっては百害あって一利なしだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?