KORG drumlogueを買った
電子音楽、特にテクノやハウスを嗜む者にとってドラムマシンは相棒のような存在。
様々なジャンルを聴き、それに対応するために色々と目移りしてしまう時期を過ごした今、なぜdrumlogueを選んだのか、そしてその感想を書いていこうと思う。
ちなみに、買ってまだ間もないので追記やら修正を入れていくかもしれないので、参考程度に読んでもらえたらありがたい。
音作りについて
キック、スネア、ロータム、ハイタムはアナログ音源で、ハイハット、クラップなどのパーカッションはPCMを採用。各パートにサンプルが用意されており、好みのサンプルを選んでエディットして音を作っていく。
また、自分で作ったサンプル音源もマルチパートにインプットできるので、幅広いセットを組むことができる。
キックやスネアなどのアナログパートにはPCM音源がレイヤーされている。これも複数のサンプルが用意されているので、好きなサンプルを選ぶことで音のキャラクターを変えることができる。
このレイヤーはフィルターやレゾナンスが効くので、幅広い音作りが可能だ。
音の印象
何を目指すかで評価は分かれるが、個人的にはかなり好きな音が作れる印象を持った。ミニマルテクノを好む身として、キックのタイトさは遜色ないと言える。
スネアは最初うまく作れなかったが、ローパスフィルターを使うことで芯のある音を作ることができた。
サンプルの数も多く、クリアーなサウンドが曲の構成をワンランクアップさせてくれる。もちろんこれらもエディットで更に変化する。
そして、各パートは内部でパン振りができるので、音の広がりをミキサーを使わずとも可能だ。
各パート総じて非常に硬派な音であり、派手なサウンドを求める人には物足りないだろう。808や909というよりはエディットできる606といったところかもしれない。
また、ローグシリーズ(minilogueやmonologue)の名を冠するだけあって、上品かつ骨太なサウンドキャラクターを継承している。
操作について
サイズはA4サイズぐらいだろうか、volcaは小さくて操作がピーキーだったが、drumlogueはさすがにvolcaほどキツくない。
しかし、小型のドラムマシンではあるのでボタンは小さい。黒で統一された見た目はかっこいいが、視認性は落ちると評価せざるを得ないだろう。
特にミュートのオンオフを選ぶ時に、オフパートのボタンのライトが消えているので、これを暗闇の中で操作するのはちょっと大変だ。
慣れればどうってこと無いが、買ってすぐに誰しもが躓くポイントではないではないだろうか。ここら辺はアップデートで変わるかもしれない。
そして、音の印象で書いたが、音をエディットする必要がある。つまり、volca beatsのようにいきなり使える設計になっていないので、ある程度の知識がないとコツを掴むのに苦労するだろう。
エディットしなくても上部にあるパートボリュームで音量調節すれば全然使えるけど、この機材に手を出す人はエディットしたい人だよね。
あと、なんとなくだけどelectribe2っぽい操作感だと思った。
内蔵エフェクト
ディレイ、リバーブ、マスターの3パートが用意されており、各エフェクトに複数のパターンとエディットが用意されている。
各楽器パートのパラメーター内でエフェクトをどれだけかけるかを設定し、エフェクトパートでかかり方の設定をする。
ギターエフェクターのようにオンオフを切り替えることはできないので、サウンドメイクの一環と捉えるとよいだろう。
マスターにはコンプレッサー、フィルター、ブースト、EQが備わっている。個人的にフィルターを曲のブレイクに使いたいので、ボタンでオンオフできたら良かった。一工夫が必要というところか。
ディレイはピンポンディレイがあり、サイドに音が揺れるので面白い効果が得られる。オートパンのように使え、サンプル音源を揺らすのは楽しい。
注意点として、メインアウトではなくインディビジュアルアウトで音を出力した場合、エフェクトは効かない。効かせたいパートはメインから出力しよう。
メインとインディビジュアルと両方から出すこともできるので、ミキサーを使いながらエフェクトを多用したい人はこの設定がおすすめだ。
総括
個人的には凄く良いマシンだと思う。その理由は音の良さ、というより好みと言ったほうがいいだろうか。
電子音楽を始めてあれこれ作ってきた今、ミニマルテクノが自分の世界観と一致していると実感している。そんな自分にはタイトなサウンドがマッチしている。
逆に派手派手なEDMを作りたい人にはやや不向きだろうか。それでも音作りの幅は広いので十分使えるポテンシャルは秘めていると思う。
あと、909高いしでかいし、クローンもあるけどやっぱりでかいし、このサイズ感はかなり決め手になってる。
サンプル音源が充実しているのもグッドポイント。ここに幅を持たせることで自由度がアップしている。
その反面、作り込みが必要になってくるので、パッと触った印象でキャラクターを把握するのは難しい。実際に店舗で触らせてもらった時に、electribe2を知っていたからメニューの奥まで入り込めた。
逆に言えば問題はそれくらいなので、慣れれば直感的に使えるようになると思う。まだ触って日も経ってないながら、良い点と悪い点をピックアップできるのは、ドラムマシンとしての完成度が高いと言えるのではないだろうか。
最後に、これ一台でプレイした動画を作ったので、サウンドの参考にしてもらいたい。