見出し画像

日曜日のクルーメイト #0061 GUNG-HOOOOO!!

ガンホー! やったるぜ! と雄叫びを上げる日曜日、親愛なる読者諸氏ことクルーメイトはいかがお過ごしでしょうか。

冲方は、今号のSFマガジンにて掲載された『マルドゥック・アノニマス』にて寺田克也さんの扉絵が相変わらずの素晴らしさであり、テンションは急上昇、思わず余計な新キャラを二名か三名ほど誕生させてしまいそうになります。

そんなわけで、今週もやる気満々で参りましょう!

『マルドゥック・アノニマス』第42回 新キャラ殺戮祭り

今回新登場、〈プラトゥーン〉のガンマン、オズボーン・ザ・ビッグホーンの銃。
グリップにユニコーンの彫刻が施された銃を四挺も装備し、低致死性の電撃弾と、必ず殺すための弾丸大のミサイルである徹甲炸裂焼夷弾の、二種類を使い分ける。

さて、『マルドゥック・アノニマス』もおかげさまで第42回。
シザースの介入により、ハンター陣営が真っ二つに分かれて激突。

以前登場した、人捜しのプロ〈スネークハント〉の三人に続き、〈プラトゥーン〉、〈戦魔女〉、〈マリーン・ブラインダーズ〉、〈ポイズンスカッド〉の面々が能力を発揮しつつ登場。
その一覧をご紹介。

〈プラトゥーン〉
■ブロン・ザ・ビッグボート。リーダー。身からガスバーナー式の熱を生ずる。
■オズボーン・ザ・ビッグホーン。感覚器官であるイッカクに似た牙を頭部に生やし、精密射撃を行うガンファイター。
■キャンドル・ザ・ビッグバッグ。自身を気球化して浮遊する斥候狙撃兵。
■ドハティ・ザ・ビッグイーター。自身をふくめなんでも透明化し、生けるトラップと化す。
■ファングアス。ドハティの相棒であるエンハンスメントされたイタチの一種。水分子を操作して透明なワイヤーを形成し、トラップ作りを助ける。

〈戦魔女 ウォーウィッチ〉
■リディア・マーベリック。自身がプラズマ式の火炎放射器と化す「火葬者(クリメイター)」。
■デビル。リディアの相棒であるエンハンスメントされた黒豹。疑似重力を発生させる。
■ミランダ・マーシー。上空に作り出した拳大の雹を落下させる「処罰者(パニッシャー)」。
■リリー。ミランダの相棒であるエンハンスメントされた白馬。代謝精の金属繊維である八つの目をセンサーにし、電子的手段で情報をミランダに伝達する。
■マヤ・ノーツ。盲目の魔女。その身から、人間を一時的にアルツハイマー状態にするガスを生じる「暗黒(ダークネス」。
■デイジー。マヤの相棒であるエンハンストされ白蛇。細胞の気泡化によって巨大化する。

〈マリーン・ブラインダーズ〉
■トロイ・モルガナイト。リーダー。ウミヘビに似た姿になるシェイプシフター。
■アスター・トパーズ。カジキに似た姿になるシェイプシフター。
■ディロン・パール。貝や甲殻類のような姿になるシェイプシフター。
■バンクス・ツァボライト。トビウオのような姿になるシェイプシフター。
■アーチボルト・スフェーン。アオミノウミウシのような姿になるシェイプシフター。
■ダイヤモンド・フローレス。〈ブラインダーズ〉が崇める、エンハンスメントされた巨大なウミガメ。光り輝く代謝性の金属繊維で覆われており、広大な範囲での電子探査や操作を行う。

〈ボイズン・スカッド〉
ハンターから麻薬工場の見張りを任された〈ウォッチャー〉が離反し、勝手に改名。
■ノルビ・トラッシュ。致死的な毒ガスを発生させる。
■ベン・ドーム。腹に、金属繊維を移植されたロボット昆虫であるヒアリをの巣を持つ「蟻塚(アントヒル)」。
■クライル・コヒー。腹に、ロボット昆虫であるスズメバチの巣を持つ「蜂の巣(ビーハイブ)」。

十五名と五匹のエンハンスメント生物が一挙登場し、血みどろの闘争へとひた走ることに。
ハンター側のエンハンサーにもさっそく犠牲者が出ており、一夜にして多数の命が木っ端のように消えていくことでしょう。

さらに加速する多重アクション、ぜひお楽しみ下さい!

『さよなら、ブラック』企画整理中

皆さんとともに作ろう、お蔵ストック企画ですが、選ばれた企画自体がなかなかの難易度で、ちょっと設定を思案し、整理してからまた投票など行いたいと思います。

先週中にある程度できると思っていたのですが、執筆が押してしまったため、やむなく次週へ。

大ネタであるためずっと先のことになりますが、ヒロインに何があったか考えたいところ。時空をワープした、宇宙人と出会った、五万年寝ていた、別の存在に進化した、実は五万年後から来たのがヒロインだったなど、いずれ投票にかけるかもしれません。

なんであれまだ土台が出来上がっていないのでジェンガ状態にならないように企画を構築したいと思います。

少年マンガ的なヒーローの「戦える理由」は?

お蔵ストック企画とは別に、クルーメイトに尋ねたいことが一つ出て参りました。
このところさぼっていたマンガ読みを、どっと詰め込んだところ、少年マンガの主人公が、「どうして戦えるのか・勝てるのか」という点でのロジックが、様変わりしていることをひしひしと感じた次第。

まず冲方がそれこそ少年期から知っていた少年マンガのヒーローは、「絶えざる努力と鍛錬を通しての才能の発揮」でした。
現実にはどれほど努力しても絶対に身につかない、「気」「戦闘力」「コスモ」「経絡秘孔」などでもって力比べをするのがヒーローだったわけです。

それにあるとき大きな変化が起こったのが、「分身」の登場。
自身の才能があるとき努力とは関係なしに(その後の努力はさておき)、可視化・具現化されるとともに、「分身」として力比べをしてくれるようになりました。
「スタンド」「カードバトル」「守護霊」「特殊能力」など、一人一能力という縛りを受けつつ、力の主体が、いわば主・従の二重になったわけです。

それがまたしても変化を起こしたのが、「合体」のロジック。
主人公が、宝くじに当たるかのごとく、力をもたらしてくれる何か、とりわけラスボス級の超絶大な存在と合体することによって、自己分裂的・多重人格的な状態になりつつも、個人では手に入れることができなかった途方もない力を獲得するのです。
『僕のヒーローアカデミア』『呪術廻戦』『チェンソーマン』『怪獣8号』は合体という点でどの主人公もロジックを共有しています。

他方、「運を味方にする」主人公も多数、見られるようになりました。
異世界転生ものなどは、偶発的な人材の適材適所とでもいうべき社会的ニーズを反映したものととらえることもできるでしょう。
転生したら、たまたま名前が〇〇だったので尊敬された。自分の職業的技能が死ぬほど役に立った。知悉したゲーム攻略テクニックのおかげで無敵になれた。これらは努力や才能だけでなく、それらが活かせる環境を幸運にも手に入れることができたことによるヒーロー像といえます。

さて、ここでクルーメイトに質問です。

1)努力鍛錬型
2)分身発動型
3)融合適合型
4)幸運開花型

これら四つのヒーロー像のうち、今どれが一番好きですか?

のちほど投票ツイートをさせて頂きますので、ぜひ、ご参加頂くとともに、

#日曜日のクルーメイト

こちらのハッシュタグをつけてコメントを頂けましたら幸いです!

クルーメイト・トーク

さて、ここからはクルーメイトのコメントをご紹介!

森人さんからのコメントです!

おお。確かにそれは便利。つい惹かれてしまうものがありますが、あるとき有料化されたグーグルでの例があり、無料と聞くだけで「これはトラップに違いない」とどうしても思ってしまいます。
そもそもアップルもグーグルも、Amazonにサーバーを借りてるんでしたっけ? 逆で、グーグルかな?
まあ、なんであれ、ビッグデータにおけるストレージという新たなビジネスがいつの間にか定着しているわけですが、冲方は、塵も積もればな「手数料」というものに鳥肌が立つほどぞっとさせられるので、どうしても敬遠してしまうのでした。

再び森人さんからのコメントです!

これは、冲方も「どっちにしようかな」と考えることがあります。
モブの顔をどこまで詳細に書きたいか、あるいは伏せたいか、という気持ちに似ているところがありますね。
「一名」と書くと、その人の名前はある面で明らかである、すなわち正体がわかっている、あるいは敬意を払うべき存在である、といったニュアンスが生まれるのだと思います。
「一人」だと、対象が実在していなくてもいい、たとえ話における人数であったもいいので、当然ながら正体を知りたいとか、敬意を払うべきといった態度は薄れますね。

あとは文脈でしょうか。「犯人はこの中の一人だ」と「犯人はこの中の一名だ」では、前者にはしっかり特定していく言葉の強さがありますが、後者だとこれからみんなで選ぼうとでもいうような弱さを感じます。

ただ、日本語のこうしたニュアンスも時代を経てどんどん変化するので、面白いなあと思うのです。

ファリィンクさんからのコメントです!

なんと一ヶ月の差が! 冲方も海外にいたときは数ヶ月かけて少年ジャンプ一冊を手に入れていましたが、昨今は純粋にコロナ禍の影響でしょうか。

船が港に入れず立ち往生、コンテナが一部の港に山積みになったまま取りに行けず、コンテナ需要が跳ね上がった、などといったニュースをしばしば目にします。

なんであれ、長らくお待たせした書籍、どうぞお楽しみ頂けましたら幸いです。

normal3さんからのコメントです!

それは冲方がひそかに誇らしげな顔をしてしまうやつです。
言及して水を差すのも悪いですから、もちろん黙っておりますが、いつの間にか「一般化する」というのは嬉しいものですね。

ちなみに冲方丁の画数占いは「大凶」で、そもそも冲の字が凶なのです。
冲方は、いわば経済的に言う「底を打った」状態なのだから凶が好き、買い時である、などと思っているので気にしないのですが。

さておき、文字を一つ次代に運んだことで、小説『ザ・ロード』でいう火を運ぶ人になった気分を味わいつつ、そもそも言葉とは全て借り物であり、自分が作ったものではないという謙虚さを失わずにいたいものです。

あとがき

このところ、創作noteの方のネタがまったく消化できていないことにだんだんとフラストレーションを感じるようになったせいか、今週の投票はもろに創作の指針についての質問となっております。

ヒーロー像という不変に思われるものでも、実はどんどん変化していることに気づかされます。
相変わらず騒がしく落ち着きのない世の中ですが、より良い変化を選べると信じて、今日あるものに感謝したいところ。

どうか健やかで楽しい日曜日をお送り下さい!
冲方丁でした。

本日の飯テロ ではないのですが

以前、生クリームをこぼしたら、怒った顔で「あかんべー」されました。かわいい。

穴がちょうど両目というか眼窩に見えて、思わず撮影。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?