どの町にも馴染むことができない

この町にやってきて5年になる。

わたしは子どもの頃から人付き合いが苦手なので、ひとりでぽつんとしているか、かろうじて話の通じる相手をみつけて生きてきた。

わたしは人見知りで話し下手なので、会話がすぐギクシャクしてしまい焦る。そんなときも話を聞こうとしてくれる人とは仲良くなれるが、何言ってんだコイツという表情をする人とは仲良くなれず距離ができてしまう。

この町にはどちらのタイプもいる。仲良くなれた人もいるし、今だに噛み合わない人もいる。

けれど、5年いることで噛み合わなくても受け入れられていることが感じられるようになってきた。

「よくわからない人」ではなくて、「そういう人」として定着していく。

それは分かりあえない寂しさも感じつつ、存在を認められている嬉しさもある。

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