ピンチアウト

わたしは目がいい。視力が良い。
全てのものがくっきりはっきり見える。わたしの視界の中にぼやけているものはない。
それが普通だと思っていたが、どうやら他の人はそうではないらしい。

文字が見えにくいという経験がないので目を細める必要もないが、その仕草がかっこいいと思っているので、真似してみたことはある。

視力がいい人は老眼になるのが早いらしいという話を聞いたことがある。
本当かどうかは知らないが、となるとあと10年くらいで老眼になったりするのだろうか。

わたしは小説や漫画、紙の本を読むのが好きだ。
老眼になると、その行為が億劫になったりするかもしれない。
そのことを想像すると、とても寂しい気持ちになる。
目の前のものがぼやけて、ピントが合わなくなることがないから、そういう現象が自分の身に起こった時に結構動揺しそうだな、と思う。


わたしはYUKIが好きで、昔から彼女の曲や、ラジオを聴いたりしている。


YUKI『My Vision』
彼女は最近老眼になってきたとラジオで話していた。
この曲はそのことについて歌っている。

でも彼女にとっては、それも新しい経験で、世界を面白がる要素になるらしい。
今までの景色を失ったとしても、また新しい景色が広がっている。
虫眼鏡を覗く彼女はとてもかわいい。


ああ 戦わずに 抗いもせずに
世界を 面白がるよ
ああ 忘れないよ 今まで見てきた
愛しさをすべて
幻のような人生ならば
霞んでも ぼやけてもいい

YUKI『My Vision』


この曲、歌詞がとてもおもしろくて好きです。
わたしの憧れの人はどこまでも強くてしなやかで美しい。

歳を重ねることに特に心配なんていらないみたいだとこの人を見ていると思わされる。

今は霞んでもぼやけてもいない景色を楽しもうと思います。

でも、わたしは眼鏡に憧れの気持ちがあるから、もし老眼になったらちょっぴり嬉しいかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?