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森羅万象_1/2

これは、わたしが小学校6年生のとき
卒業を記念してみんなで寄せ集めた物語
わたしが創り出したおはなし「カエルと山神」をそのままの文字で書き移しました。
舞台は、海に挟まれた地 兵庫です。
 
 
笑ってそして涙と微笑みがあふれるといいな
 
 
それでは、はじまりはじまり
 *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
 
 

『 カエルと山神 』

 
 
 
遠い遠い、人間も知らない、動物も知らない
はるかなはるかなむかし。
 
 …・…
 
 
山々が連らなる、和田山の山奥に
たった一人の女神が住んでいた。
 
女神は、だれをもいっしゅんで、自分を好きにさせるぐらいの美しさをもつ持ち主であった。
 
 
 … …
 
 
女神は、楽しい日も悲しい日も、円山川の川のほとりで日なたぼっこをしていた。
 
 
そんな時、女神のそばには、はねのついた魚みたいなかわいい生き物が、よってくる。
 
その生物は大空を飛び、くるくる目が回るぐらいすばやく動き回るぐらい。
女神は、その生き物に“ 小鳥 ”という名をつけた。
 
 
チュンチュン ピチチチチ
 
さらさら ちょろちょろ
 
 
川の音に、小鳥の鳴く声が、重なって山にまで、とどき山びことなって女神の所にかえって来た。
 
 
その美しい合奏は、どこまでも続く。
 
 
円山川の上をひびき、豊岡、城のさきをとおりこし
空の雲、川の水といっしょになって流れていった。
 
 
 … …
 
 
 
兵庫の氷ノ山には、力持ちで、世間知らずな、
山神が住んでいた。
 
山神は、いつものように山へ行っては
大きく、太い木を、表情一つ変えないで、
切っていた。
 
 
ガァーン ガァーン
キコーン キコーン
 
 
山の中は、その音しか聞こえなかった。
 
 
 
 … …
 
 
 
ある日、だれ一人、外に出られないほどの
雨が降った。
 
 
山神は、いつものように山へ行こうとしたけれど、外は雨だから、出たらぬれてしまう。
 
 
 
 … …
 
 
 
山神は、しかたなしに行くのはやめた・・・・・と
その時、山神はだれかに、しばられるように、立ち止まった・・・・・と言うのは
 
 
山神様 山神様 山神様
 
 
と、小さくかすれたような声で、自分を呼ぶ声が、それとなく遠くなし、近くなし、
どこからか聞こえてきた。
 
 
山神は、何なのかも分からないまま、
火のそばで、ただボーとっ、していた。
山神はボーとっ していながらも、少し考えていた。
 
そんな時、さっきの声が聞こえてきた。
 
山神様 山神様
 
 
今度は、もう声がまえのように、
はっきり出なくなり、とぎれとぎれに聞こえた。
 
山神は、この声は何ものなんだろうかと思った。
山神の前から、後から、右横から、左横から、上から、下から、降りかかってくるか、なんのてがかりもない。
 
 
 … …
 
 
 
山神は、何かにあやつられるように、探し始めた。
 
山神は、人間の声じゃないように思ったもので、
家の中を、小さい物を探すように、どろぼうにあらされた時のように、すみずみまで探した。
 
家の中にいないと、いうと、外かもしれないと、
山神は気が付いた。
 
雨が降っていることを忘れて、家のまわりを探した。
 
 
山神は、あきらめて家に入ろうと、戸のそばに来た時、あの声が聞こえたように思った。
 
山神のただ一つ知っている動物が、そこにいた。
 
「 ゲロゲロ 」
 
と声がかれたようになき、それが、あの時、二度聞こえた声とよくにているのだった。
 
山神は、戸のまわりを探した。
草のかげにいた、それは、カエルだった
 
 
 
 つづく
  
〈おまけ〉



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