顧客への価値を最大化するための合言葉「Grit」とは――Ubie Customer Science(UCS)のカルチャーが生まれた前日譚
※必要最小限の時間で撮影しました。撮影の時のみマスクを外しております。
スケールとグロースに特化した組織Ubie Customer Science(以下UCS)は、医療機関のパートナーとして提供価値の最大化を目指しています(組織についての関連記事:採用のために分けた組織がお互いの採用ブランドを毀損していたため、二組織同時改称しました)。 UCSメンバーが常に念頭に置いているのは、“顧客への価値を最大化すること”。国内約8,000院という限られたターゲットにアプローチするため、一つひとつの商談の顧客満足度を高め、顧客への価値を最大化することが重要なのです。
顧客価値の最大化と深く結びついているのが、UCSの人材要件として掲げられる「Grit」です。今回はこのGritをテーマとして、前・後編にわたってUCSのカルチャーやセールスプロセスの考え方をお伝えします。前編では、UCS発足時の課題とGritに込められた想いについて、柴山が語ります。
※人材要件の概要について関連記事:リスク回避をベースに設計した人材要件が圧倒的なオペレーションの最適化につながった話
数値化と定量化が課題――最速のスケールを実現するために
――スケールに特化したチームとしてUCSが分化したのはいつですか?
柴山 「2020年1月です。事業成長を加速させるため、機能に応じて最適化された採用活動やカルチャー形成を行うことを目的に、Ubieは0→10を担う組織10→100を担う組織(UCS)に分かれました。したがって、私たちUCSがセールス・マーケティングの仕組みづくりや独自のカルチャーづくりを始めたのも、この頃です」
――当時の課題について、セールスの観点から教えてください。
柴山 「主な課題は3点あります。まず現状を数値で管理できておらず、月毎の売上や事業計画の進行具合が見えない状況でした。セールスに特化した組織として、この課題は致命的ですね。
次に、個々の担当者のフローが属人化しており、顧客フォローができなくなっていたことです。私たちは設立当初から顧客への価値を最大化しようと邁進していましたが、そこにリソースを割くことで組織内の情報共有がおろそかになっていたのです。
そして最後に、営業の質の振れ幅が大きかったこと。担当者によって顧客に提供できる価値が変動することは、日本市場No.1を目指すうえで大きな問題です」
――課題の内容からすると、営業管理ツールの導入で解決できそうですが……。
柴山 「私たちもそう思い、営業管理ツールを導入しました。しかし、ツール導入は根本的な問題解決には至りません。それを使うメンバーがその意義を理解していなければ、ツールを利用する習慣が根付かないからです。
先ほど挙げた課題の解決策として焦点をあてたのは、指標をもとにした管理体制づくり……つまりメトリクス化です。営業フェーズごとの失注率や課題を可視化し、変数の大きいところから対策していくことで、最速の解決を目指しました」
――具体的には?
柴山 「UCSのセールスプロセスには、病院へのアポ取り、課題の特定、担当者の同意、決裁者の同意、そして院内でのオペレーション検討の後に受注という流れがあります。この流れをまとめて失注率を出してしまうと、適切な対策を練ることができません。なぜなら、各段階における失注理由と解決策が異なるからです。
例えば、一般的な企業の営業を考えると、決裁者の合意を得られたあとで失注することは珍しいと思います。一方で、私たちのサービスは院内におけるオペレーションに課題があり、決裁者の合意を得られた後に失注することもある。そういった一つひとつの課題を洗い出して対策する姿勢を、UCS全体の共通認識とする必要がありました」
Ubie存続の危機の中、Gritに込められた想い
――そうした課題への対策とGritの交点を教えてください。
柴山 「経営確立後の企業であれば、メトリクス化された目標に対して120%達成を目指すといった指標をもとに事業成長を望めます。一方、私たちのように創業間もないスタートアップの場合、目標を1000%を達成しなければ倒産するというような事態も発生します。そんなときこそGrit……顧客と向き合いきる精神が求められるわけです」
――ちょっと待ってください、1000%達成とは…?
柴山 「これは私たちが2020年3月頃、実際に目の当たりにした数値です。資金調達の都合上、目標1000%達成が叶わなければ3ヶ月後にはUbieは存続が危ぶまれるという状況に見舞われました。
自分が働いている企業がそんな状態になったとき、転職活動を始めることは誰でもできます。それでも腹をくくって逃げず、最後まで難題に向き合える仲間が必要でした」
――その気持ちがGritにも反映されている?
柴山「はい。どんな状況でもできない理由を並べるのではなく、できるためにどうすべきなのか考え、検証し続ける。そういった覚悟をもったメンバーと共に歩まなければ、UCSが顧客への提供価値を高めていくことはできないと考えました」
――改めて、Gritの意味を教えてください。
柴山「Gritには二つの意味があります。一つは、課題解決に資する戦略を考え抜くこと。そして、もう一つは実現可能になるまで改善を重ね、やりきること。もしも実行途中に失敗したら、また戦略を考え抜くフェーズに戻ればいい。このGritを繰り返し続けることこそ、顧客と向き合いきることだと思います」
――UCSのGritは、戦略が軸になっているのですね。
柴山 「Gritの一般的な解釈を見ると、がむしゃらにやるというニュアンスを感じることもあります。しかし、目標を達成するためには戦略が必要不可欠です。一方で、戦略通りに物事が運ぶことはほとんどありません。そこで止まることなく、また考えるということが顧客と向き合いきることにつながります。ですから、私はGritを“考え続ける力”と定義しています」
新しいメンバーと共に走り出した2020年夏
――そうしたGritの定義を認識することは、セールスプロセスの改善にも直結しますね。
柴山 「メトリクス化、ファクトベースで語る習慣……現在浸透しているUCSのカルチャーの根底には、Gritがあります。そして私たちがGritを極めようとする理由は、一貫して顧客への価値を最大化するため。こうしたUCSの信念を可視化する軸として、Gritがあります」
――その後、Gritに基づいた具体的な環境改善は、どのように進んでいきましたか?
柴山 「先ほどお話した危機を乗り越えた2020年7月以降、UCSはチームの規模を拡大しました。時を同じく私自身はセールスから離れ、マネージャーに権限を引き継いでいきましたので、メンバー一人ひとりとのコミュニケーションの濃度や頻度は減りました。この時期は新しいメンバーが増える喜びもある反面、注意しなければせっかく定義したUCSのカルチャーが薄まってしまう危険性もあったんです。
そんな中で大いに活躍してくれたのが、2020年8月に入社した河本です。彼は入社当初からGritの精神に基づいた行動を示しながらセールスプロセスの改善に努め、組織全体に良い影響を与えてくれました」
Gritを含めた4つの人材要件をもとに、新たなメンバーを迎えて組織としての成長期を迎えたUCS。メンバーはどのような改善を試みながら、Gritの精神をより強固なものとしていったのでしょうか。具体的なエピソードは、後編(GritがもたらしたUbie Customer Science(UCS)への信頼――一人のセールスマンが病院決裁者の相談相手になるまで)にて河本が語ります。
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